3泊5日タイの旅。跳ねる重戦車バラマンディを釣りまくった!
3泊5日タイの旅。跳ねる重戦車バラマンディを釣りまくった!
タイでバラマンディ
バラマンディ(Lates calcarifer) 。
この魚のことを知ったのはもうずいぶんと前だなぁ。
バス釣りのブームが巻き起こり始めた90年代半ば。
「世界にはこんな魚釣りもあるんだぜ」って、ルアーメーカー・スカジットデザインズの皆川哲さんがニカッと笑顔で釣り雑誌に登場し紹介していたっけ。
舞台はオーストラリアで、ロコガイドのテリー・ホールマンという人が、最強ミノーはロングAだ!!」って叫んでいた…。
その時、僕の中でいだいたこの魚のイメージは「なんだかシーバスのもっとすごいの!」。
そしていつか機会があれば釣ってみたいなと思っていた。
幸運にもそのバラマンディに昨年初挑戦することができた。
オーストラリアよりもずっと日本から近い国、タイで。
ファーストキャッチは滋賀の長浜で釣り具やアパレルのショップ「LUCK FISHING & LIFESTYLE」を営む同行メンバーの椋田さん。こんなバラマンディが2~3投に1回は釣れちゃうという入れ食いを味わった…。
僕の1匹目はこちら。
ミノーの歴史的名作、ラパラCD11で。
小ぶりであったが続けてすぐに釣れた2発目。
日中で炎天下。トップウォータープラグへの反応は厳しかったが、ちょっと沈めてみると途端に激バイトしてくるようになった。
3泊5日でお手軽ツアー
2019年10月24日~28日の木、金、土、日、月。
僕は名古屋でパックロッドや革小物を製作販売するORCAさんのお声がけによる釣り旅メンバーのひとりとしてこの国に出かけた。
ORCAウェッブサイト
http://worldadventureshop.wixsite.com/orca
主目的は「新作ロッドのテスト及び、広告のための取材」という「お仕事」ではあるが、僕らがそんなことも忘れて(笑)思いっ切り釣りを楽しんだのは、中心地バンコクから1時間くらいのドライブで行ける養殖池や管理釣り場であった。
タイにはピラルクやオオナマズが放されている釣り場もあるが、今回僕らが訪れたのはバラマンディをメインターゲットとする2カ所。
バラマンディはスズキ目アカメ属の大型魚で、日本に生息するアカメ( Lates japonicus )にとても近い種である。
中国南部、フィリピン、東南アジア、オーストラリアに生息し、自然の釣り場ではオーストラリアが有名だが、短期間の日程でより身近に、手軽に狙える台湾やタイの釣り堀が日本のアングラーの間でここ数年大きな人気を呼んでいるのだ。
地元沖縄からはPeachの便を利用。
Peach
https://www.flypeach.com/
那覇空港を24日の21時45分に出発しバンコクのスワンナプーム空港に着いたのは25日0時15分。激混みのため入国手続きに時間を取られ、タクシーに乗れたのは2時ちょい前で、宿に着くと3時を過ぎていた。
時差は日本が2時間進んでいる。
2日目の午前7時に迎えにきてもらい、1カ所目としてフィッシングガイドのサコンチャイ氏とともに訪れたのはブーンマーポンド。
釣り堀ではなく養殖池であるが、あらかじめ予約をしておき指定の料金を支払えば釣りができるという施設だった。
2日間の釣りを案内して下さったガイドのサコンチャイ氏。
釣り堀から、自然渓流やトーマン潜む湖までお任せの頼れるガイドさんで、これまでにも多くの日本人アングラーやメディアのガイドをしているそうだ。
釣り場の手配、宿から釣り場までの送迎に、地元釣具店、おいしい食事処の案内までとフルに面倒をみてくれた。
釣り場選びの相談もリアルタイムのコンディションを見ながらしっかりとできるだろう。
サコンチャイ氏のフェイスブックページ
https://www.facebook.com/sakonchai.sawadmanod
バラマンディ。金色に輝く瞳。
「こ、これがバラマンディかぁ」
アカメの目は赤の輝きを見せるが、バラマンディのそれは金色に光り、輝いていた。う、美しい!
岸まで引き寄せたバラマンディはサコンチャイ氏か養殖池のスタッフがフィッシュグリップでランディングし、フックを外してくれる。
ササッと記念撮影をしたら即リリースだ。
フックはバーブレスを使って下さいというという決まりも含めて、食用として出荷前の魚を殺してしまわぬよう注意しているわけだね。
ランディングしてもらったところ。
吸い込むようにエサを捕食するタイプの魚なので大きなルアーも飲み込まれがちだが、丁寧に外してくれる。
ところで、アカメも釣ったことがなく、バラマンディ釣りも初めてであった僕がいちばん気になっていたのが
「う~ん、バラってどんなファイトをするのかな?」であった。
実際に釣っての印象を振り返ると、それは
“飛び跳ねる重戦車!” ってな感じ。
重たいボディなのに、
豪快剛力な走りを見せ、
ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ!!!
ファイト中の僕。
もう、腕が痛くなっちゃう!!
ものすごいパワーでの突っ走りに耐える椋田氏。
ドラグ設定はしっかりと!
何十回と見せつけられたジャンプシーン。
なんとかいいのが1枚だけ撮れました♪
お気に入りのタックル&ルアーで!
養殖池であり、貸し切りであり、釣り堀のように毎日大勢のアングラーに攻められるということもないせいか本当によく釣れたブーンマーポンド。
とても素直な追いをしてくれるバラマンディたちに対し、僕も「これで釣ったら楽しいではないか!」とニヤニヤしながら荷物に詰め込んできたお気に入りのタックルやルアーをあれこれと試していった。
ちなみに使用したタックルはこんな感じだ。
●ロッド:ORCA スティングレー スピアー(プロトモデル)
●リール:ダイワ タトゥーラ SV TW7.3R、アブ アンバサダー1000
●ライン:PE3号 フロロカーボンリーダー50ポンド
今回テスト使用のグラスパックロッド、スティングレー スピアー。
ブランクのエイのイラストは僕が担当。
5.3フィートだが長めのグリップ設計なのでホールド感に余裕があり、大物相手のやり取りもとてもラクだった。
80年代の名機アブ1000と合わせて。
シブ目な色調のブランクにアブレッドが映える~。
ルアーはジョイントラパラ。
ルアーは思い切り遊んじゃおう。
かなり古~いアブのハイロールアーで。
フライも少しだけやらせてもらったが面白い!!
9番ロッドで。
リーダーは最低で50ポンド。
バラマンディの口はヤスリだ。
タイは食事もすばらしい
タイの暑さはものすごかったが、池の脇の木陰にはレストスペースが用意され、僕らは釣りの一日を快適に過ごすことができた。
それにしてもよく釣れたなぁ。
もちろん天候などによってはバラマンディたちも不機嫌な日があるだろうけれど、この日は本当に釣りまくった。そしていいロッドテストができた。
まぁ、だからといって「釣れましたぜ~!!!」的な画像ばかりでもつまらないので、まったり感あるシーンもお見せしておきましょう。
今回のタイ旅は僕にとっては初めての東南アジア旅でもあったのだけど、釣りと同じくらいテンションが上がってしまったのが食事の時間なのだ。
コンビニの弁当から屋台にレストランと、どこもかしこも美味しい!!が溢れていた。
ああ、素晴らしき木陰。
僕らの他に釣り人は誰もおらず。
タイはハンパなく暑い。熱中症にならぬよう「3匹釣ったらひと休み」のようなリズムがちょうど良かった。
ランチにはエビ入りチャーハンのお弁当。
脇の目玉焼きがこれまたタイっぽい雰囲気。
釣りをする前に食べた朝ご飯はバラマンディのおかゆだった。
ほどよく脂の乗った白身は西京漬とか、揚げてからあんかけとかにしても美味しそう。
シアワセの水分補給。
ORCAで1本ずつ手作りでロッドを組んでいる竿職人の袴田氏。
コンビニには怪しい色のドリンクがいろいろあった。
初日の晩は釣ったその場で料理にしてくれるテナガエビの釣り堀へ。
手前はORCA大矢氏。
プリップリ~~♪
焼き物にトムヤムクン、フライ…とどれも最高!
エビフライはまた食べたい!!
2カ所目は地元人気の釣り堀で
さてさて、ブーンマーポンドでの釣りですでに十分過ぎるくらいのバラマンディファイトを味わい筋肉痛になっていた僕らだけど、旅の3日目に案内された2カ所目は「VIP Fishing」という、地元アングラーも多く集まる釣り堀であった。
VIP Fishing のフェイスブックページ
https://www.facebook.com/VipFishing/
前日に引き続きガイドのサコンチャイ氏に詳しく案内してもらったが、この釣り場ではバラマンディとグルーパーの2種がメインで、他にはマングローブジャックことゴマフエダイなども入っているとのことだった。
グルーパーとはハタ。
僕が住む沖縄の海にもいろんなハタ類が生息しているが、ORCA大矢氏の話では、ここで釣れるのは150kgを越える怪物ハタで有名なゴライアスグルーパーことイタヤラ(Epinephelus itajara)のお子様サイズということだ。
お子様サイズとはいえ、釣ったことのないハタ。
これは楽しみだ!
釣り場の形態は四角いプール状の池が3つあり、そのうち2つがスペシャルポンド。
料金が高くなるがここでもロッドテストという使命があるので、ノーマルポンドより数も大型も釣れるというスペシャルポンドで僕らは釣りをした。
釣り場の看板。イラストはバラマンディかな?
左手がノーマル池。
立ち並ぶ日よけのパラソルにタイっぽさを感じた。
こちらはスペシャルポンド。
僕がふだん釣って楽しんでいる沖縄のロコグルーパーは20cmくらいのイシミーバイ(カンモンハタ)。
タイのグルーパーはどんなのかなぁ。
土曜日ということもあってか、VIPには多くの地元アングラーが訪れていた。また、何人かの日本人アングラーにも会った。
規模や魚種は違うが、なんとなく東京在住時代に通った朝霞ガーデンのような雰囲気に重なるものがあって懐かしい気持ちにもなった。
今住んでいる沖縄にはないのだけれど、管理釣り場にもよく行ったもんだよなぁ。
ブーマーポンドでは新作のテストだったが、こちらではアントマーチ-8-という8本継ぎのパックロッドを試させてもらった。
竿職人袴田氏の技が光るスパイの小道具のようなパックロッドだ。
これがアントマーチ-8-。
もしも007が釣り好きだったら持たせてあげたい。
仕舞寸法は20センチのメイドインジャパン。
釣り開始早々に椋田氏がナイスバラマンディ!
やりますな!!
クランクベイトでグルーパー連発。
ブーマーポンドほどのイージーな釣れっぷりではなかったが、VIPでも一日楽しく魚たちと遊ぶことができた。
一見単調にも見えるプール型の池にも、ポイントとなる起伏やストラクチャーがあり魚の付き場となっている。それらとともにこの日のアタリルアーをつかむことで何匹ものヒットにつなげることができた。
見えないポイントに関しても有効ルアーについてもサコンチャイ氏から細かなアドバイスがもらえた。
限られた時間内でしっかりと釣果を上げたい旅先の釣り。
ガイドのサポートはありがたい。
アタリルアーでいえば、この日よかったのがクランクベイト。
パターンをつかんだ椋田氏はグルーパーの連発を何度も味わっていた。
袴田氏もクランクベイトでナイスサイズのグルーパーをキャッチ。
これ系のクランクベイトがよかった。
ガイドのサコンチャイ氏はチャートカラーのクランクベイトで!
僕は大好きなスピナベで
クランクベイトでの好調ぶりにすごいなと思いつつも僕は違うタイプのルアーで誘いをかけた。
単純にクランクベイトの持ち合わせがなかっただけなのだったが(笑)、個人的にバス釣りで使うのも大好きなスピナーベイトを使い、グルーパーもバラマンディも何匹かずつ釣ることができた。
同じルアーでもリフト&フォール(水中で上げたり沈めたり)にグルーパーがよかったり、水車が周り水流が出ている中を横切るように引いてくるとバラマンディが飛びかかってきたりと、使い方を変えながら誘っていくとエキサイティングな釣りを楽しむことができた。
フォール中にドンッ!!とアタリ。
スピナーベイトで釣ったグルーパー。
沖縄で釣れるアーラミーバイことヤイトハタ(Epinephelus malabaricus)になんとなく似てたー。
ちなみにバクシンというメーカーの「黒須君 パープルバックチャート」というカラー。
水車がおこす水流の中を通してくるとガバッ!ガバッ !と何度も勢いよくバラマンディが飛びかかってきた。
スピナベで釣ったバラマンディ。
好きなルアーで釣れ、実にうれしい!
この晩は市場と併設の食堂を案内してもらった。
たまらんなぁ、地元感たっぷりのこの雰囲気。
イケスのカニを選んで旨味洪水のカレーにしてもらった。
他には卵焼き、イカ焼きなどをロコビールとともに堪能。
こうして僕らはフルに2日間の濃密な釣り時間を楽しみ、滞在最終日は観光に繰り出した。
有名な寺院に、奥はかなり怪しげなフィッシュ&動物マーケット。
トゥクトゥクにバイタク(バイクタクシー)、タイ式マッサージ
本場の絶品カオマンガイ…。
ありがとう、タイランド。
そして連れて行ってくれたORCA大矢氏、袴田氏、ガイドのサコンチャイ氏、同行のLUCK椋田氏。
最後に、もしかしたら釣り時間よりもエキサイティングで濃かったかもしれない!?そんな最終日の様子をお見せして締めとしておきましょう。
チャオプラヤー川を通って巡る水上タクシーに乗りリバークルーズ。
川にせせり出した民家や遠くに寺院を眺めたり。。。
でも僕ら一行がいちばん盛り上がっていたのはナマズのボイル!
タイに行ったら乗ってみたいなと思っていた名物のトゥクトゥク。
右の兄さんが運転手。
この小さな車体で僕ら4人を乗せバンコク市内を爆走だ!
バイクタクシーはマジで恐かった!
落ちたら絶対大けがか死んじゃいますよ。
三大寺院のひとつとしてワット・ポー(涅槃仏寺院)にて、有名な寝釈迦像。
全長はなんと46メートル。
バラマンディを釣るのと同じくらい楽しみにしていた、本場のカオマンガイ(鶏のだし汁で炊いたご飯に、ゆでた鶏をのせたタイ料理)。
僕のいちばん大好きなタイ料理なんだよねぇ。
フィッシュマーケットで見つけた希少種のナイフフィッシュ。
ラストはマッサージで「お疲れさまでした~~!!」
※タイの釣りに関してはとても詳しい知人のブログをのせておきましょう。
今回訪れた2カ所のお話を掲載。 >>http://eldorado.red/?p=3049