レインボーラブ!北海道のスゴいニジマス釣り場に行ってきた(北海道・伊達市)
レインボーラブ!北海道のスゴいニジマス釣り場に行ってきた(北海道・伊達市)
「ぼ、僕はずっと前から、
ニジマスのことが好きでした~~~っ!!」
なんて愛の告白みたいに叫ぶこともないけれど、振り返ってみるとこれまでの釣り人生、この魚にはずいぶんとお世話になってきましたねぇ。
レインボートラウトことニジマス。
外来種ではありますが、移入は明治時代と歴史も古く、スーパーの鮮魚コーナーで見かけたり、イベントでよく行われる「マスのつかみどり」ではおなじみの淡水大衆魚なので、もともと日本にいる魚と思われている方も多いかもしれませんね。
ニジマス(レインボートラウト) Oncorhynchus mykiss
日本への移入は当時の水産官僚・関沢明清により1877年(明治10年)にアメリカ合衆国から持ち込まれたのが最初とされている。
この画像は2008年に屈斜路湖で釣ったもの。
僕にとっても思い返してみれば、小6でルアー釣りを始めたときに最初に釣ったのもこの魚、20年くらい前にフライ釣りを始め、その練習でいつも相手をしてくれたのもこの魚でした。
釣りブームだった2000年前後は山梨県の河口湖や千葉の亀山湖にも積極的に放流が行われていて、よく釣りに行ったものです。
2000年頃、雑誌用に描いた亀山湖記事より。
また「管理釣り場」や「エリア」と呼ばれるルアーやフライ釣りの釣り堀にもずいぶんと出かけましたが、そこでもメインの放流魚はニジマスでした。
こうした釣り場にはニジマス以外にもイワナやイトウなどの魚が少し放されているので、日によっては「なんだまたニジマスが釣れちゃった。イワナだったらよかったのに」なんてブツブツ言いながら釣りしていたこともありましたっけ(うまい人はちゃんと釣り分けられるんですけど。笑)。
そんなふうにニジマスという魚は、僕という釣り人にとって極めて身近な、いつでも会えるぅ~♪ くらいな存在だったのです。
と、ところが7年前に東京から沖縄に移住したとたん、ガラッと環境が変わってしまったんですね。
「ギャーっ、ニジマスがいない!!」
そうなんです、温暖な沖縄じゃぁ、冷水性のニジマスは生息できないんですよ。
亜熱帯気候に属し、サンゴ礁に囲まれた沖縄では、こんなカラフルな魚達と海での釣りが中心。
「今までそばにいるのが当たり前だったので君の大切さに気づいていなかった…。ああ、なんなんだこの寂しさは~~~っ!!」
そんなわけで海釣り中心の沖縄トロピカル釣りライフも満喫しておりますが、たまに恋しくなってこのニジマスちゃんに会いに僕は出かけてしまいます。
2016年は北海道の然別湖に大遠征、
2017年は東京出張のついでに栃木の管理釣り場まで埼玉県の友人と出かけたり、
帰省の際はヨメの実家のそばなのですが、小2の娘と山梨県にあるマス釣り場で遊んだりしましたよ。
世界でここにしか生息していない、オショロコマの亜種・ミヤベイワナ Salvelinus malma miyabeiで有名な然別湖で釣ったニジマス。この湖では年に2回だけ期間限定で釣りを楽しむことができる。
友人とルアー釣りで遊んだのは栃木県の管理釣り場・上永野フィッシングリゾート。
娘と出かけたのは山梨県の管理釣り場・奈良子釣りセンター。
定番のお楽しみ! 釣ったニジマスをその場で塩焼きにしてもらった。
そうした遠距離恋愛的想いを募らせる中、
2017年6月末のことですが、前から気になっていたある釣り場に出かけてきました。
それは北海道にあるルアーとフライ釣りでのニジマスをメインとした管理釣り場、
「ビッグファイト松本」です。
●ビッグファイト松本
http://bigfight.gozaru.jp/
「北海道なら自然の川や湖にニジマスはたくさんいるんじゃないの? なんでわざわざマス釣り場??」
という方もいらっしゃるかもしれませんが、従来のマス釣り場での放流魚イメージをくつがえすようなハイパーでパワフルなモンスターニジマスがいるというのでのぞいてみたわけですよ!
何しろこのサイトは「モンスターズ」プロショップですからねっ。
「ビッグファイト松本」さんのサイト画像です。
なんだこの「ロッド(竿)の破損数 283本」とかって!!
千歳空港から車だと1時間くらい。
支笏湖を過ぎて少し走り、山間に入った静かなところにその釣り場はありました。
うわぁ~~~っ。広々とした気持ちいいところですよ。
朝のまだひんやりとした空気の中、オーナーである松本剛三郎さんの奥様、松本きみさんがまずは釣り場を回りながら説明をしてくれました。
何ともすてきな環境です。
周囲の自然な風景ををそのまま生かした釣り場はとても美しく、目に入ってくるのは山、森、花。
釣りをする前ですが、これだけでなんだかテンションが上がってしまいますね!
見取り図を手に案内して下さったのは、ご自身もニジマスラブ!な釣り人である松本きみさん。
「大物は極端に長時間のファイトを強いると酸欠で死んでしまうので、ルアーロッドはしっかりとしたパワーのあるもの、フライロッドなら5番以上のパワーのものをお使いいただけたら!」とアドバイスしてくれた。
管理棟前でオーナーの息子さんである松本新さん。
おすすめルアーやフライのこと、この釣り場での釣り方のコツなど何でも聞いてみよう。
きれいな魚体の個体を選び放流がなされた釣り池は7つ。
人の手で掘った池ではありますが、湧き水の清らかな流れが入り、魚のエサとなる水生昆虫や小魚も豊富に生息。放たれたマスたちも野生化し、また自然繁殖も行われ、中には80cmを超えるサイズにまで成長した個体もいるのだとか。
釣り場で貸出ししているネット(左)と僕が持参したもの(右)。
超大物がかかる場合も考えると、このくらいの大きさのものが必要なのだ!
ぬかるんだ箇所もあるのでニーブーツがあるとよい。僕の愛用品は日本野鳥の会オリジナルの折りたためるもの。
ひと通りの説明、釣り場での注意事項を聞いた後、僕はフライ釣りでここのニジマス達を狙ってみました。
朝のいい時間帯。まだ薄暗く、ニジマスたちの警戒心もゆるんでいるのでしょう。水面に落ちた虫を食べに襲いかかる動作で、時折ばしゃっと水しぶきが上がります。
おお、燃える!
だってクリアな水を通してデカイ姿が丸見え~~!!
そして5投目くらいで早くもいいサイズがヒット!!!
うわわわわっ。
何度も跳ねるは大きなヒレをドバドバさせて暴れるわで手こずりましたが、
なんとか無事にネットイ~~~ンっ!!
トビケラを模したフライで釣った1匹目は53cm。
※ニジマスなど冷水域に生息のマス類にとって人間の体温は火傷にもつながる高温。長時間手で持たず、水に浸した状態での撮影が魚を弱らせないぞ。
ピンと張った尾びれもきれい。美しい~~~。
魚の健康っぷりのバロメーターなんだよねぇ。
おっと、写真バシバシ撮っていてはせっかくのヒットタイムを逃してしまいますね。
続いてハルゼミの形を模した大きなフライを投げてみましょう。
1匹目のトビケラフライが「トースト」だとしたら、今度は「カツ丼」みたいなガッツリ系ボリューム。
さぁ、腹ぺこニジマスよ出てきておくれ~~。
そしたら、また出た!!
今度は51cm。
連続で50cmオーバーとはうれしいっ♪
迫力の面構え。
一人取材だったのでファイト画像がないのだけれど、ウワサ通りのパワフルニジマスだった。
しっかりと明るくなってからは大物の反応も止んでしまいましたが、
いやぁ、この2匹だけでもなんだかもう満足って感じです。
う~~ん、なまら(北海道の方言で“とても”だそうです)気持ちのいいロケーションのせいかなぁ~~~。
まぁ、7つも池があるのだから、探りつつ回ってみましょう!!
こちらは立ち木が水中から何本ものぞく池。
70cmくらいのが泳いでいるのが見えた。
花に囲まれた池。
毛バリの種類を変えながら探って行くと、それぞれの池できれいなニジマスたちが追いかけてきてくれましたよ。
姿勢を落とし、ソ~~っと狙った。
野生化した大物ニジマスほど警戒心も強く手強いのだ。
きれいだなぁ。
君には
花をプレゼントしましょう。
南の島からはるばるやってきましたよ。
あなたには沖縄のご当地パンをあげましょう。
あいにくこのあと天気が大きく崩れてザーザー降りに。
「たっぷりと」な釣りはできず、また、もともとヘッポコ釣り師なこともあり70cm、80cmという超大物は出せませんでしたが
心地よい釣り場でスーパーな時間を過ごさせていただきました。
雨が小降りになった隙にチョチョイと数匹追加。
専門的になりますが、ウエットフライの表層引きで。
大雨避難時に管理棟で。
食堂施設はないので途中のコンビニなどで食事の用意はしておこう。
電子レンジの使用やお湯をいただくことは可能だ。
この取材を機に、この釣り場で何匹もの大物を釣り上げている地元の常連さんともお知り合いになれたので、再挑戦の際はまたご報告させていただきますね!
大好きなニジマス達よ、また会おう!!
訂正:上永野フィッシングリゾートの都道府県名に誤りがありました。群馬県ではなく栃木県でした。大変失礼いたしました。