釣りたてヤリイカで「最高の酢イカ」を作ってみる
釣りたてヤリイカで「最高の酢イカ」を作ってみる
「最高の酢イカを食べてみたいな…」
ある日の夜、100円ローソンで買った酢イカを肴にハイボールを飲みながら思いました。
酢イカ(酢漬けイカ)といえば、昔から安肴の定番。駄菓子屋でも買えるくらいに庶民的なジャンクシーフード。
市販のものなんて、どうせ安いイカで手間もかけずに作っているんだろうから、「最高のイカ」を素材に使えばもっと美味しいものを作れるに違いあるまい。
そう考えた私は贅を尽くした高級酢漬けイカを自らの手で作ろうと決めたのでした。
こだわり1 イカはヤリイカ!
イカの世界で最高級と言えばアオリイカかヤリイカです。
冬から春が旬なのはヤリイカなので、ターゲットはヤリイカで決まりです。
こだわり2 一番釣れている地域をリサーチ!
確実に釣りたいのでリアルタイムに釣れている地域を調べ上げます。たくさん釣れれば、その中からベストなヤリイカを厳選する余地も生まれますからね。
リサーチの結果、今回は茨城県鹿島港の船宿にお世話になりました。
船代が12,000円、船宿の集合時間は朝4:30なので前日は15時に帰社です。
日中から家にいるのでご近所さんや友人には本当に社会人か疑われていますが、
うちの会社はフレックスタイム制度なのでちゃんと勤務してますよー、ほんとに。
そして17時には布団に入り、1時起床で4時に現地入りしました。
こだわり3 釣り具も高級!
イカ釣りの道具は一応持っていたものの、最高の酢漬けイカを作るという重大なミッションを前にして捕獲失敗などというミスは許されません。
万全を期すために竿とリールから揃えなおしました。
竿は「極鋭ヤリイカAGS」というダイワ精工製の最新モデル(定価約70,000円)。
リールは投入速度とパワーに優れるシマノの「フォースマスター3000」という電動リール(定価82,000円)を選びました。
この時点で既に十数万円の出費。酢漬けイカのために。
今にして思えばおかしくなってます、自分。
しかし、道具にこだわったおかげか、釣り当日は海の調子が悪いにもかかわらず何とかヤリイカの調達に成功。とりあえず報われました!
こだわり4 持ち帰り方まで完璧に
釣ったイカをクーラーボックスに入れて放置すると身は白くなってしまいます。
半透明のまま持ち帰るには、船上で1匹ずつイカの眉間に刃を入れてトドメを刺します。
氷に触れた部分も白くなってしまうので、イカと氷を別の袋に入れて収納するのも忘れてはいけません。
こだわり5 使う部位と雌雄の選別
メスは小さくてゲソも短いので、大型のオスだけ選び、ゲソだけを使います。
あまった胴体は適当に刺身にしました。 ほら、半透明。
思ったよりも手間と費用がかかりましたが、何とか最高の素材を手に入れることができました。
こだわり6 漬けこみと天日干し
お酢に砂糖を入れて味を整え、食紅を入れて1週間漬けこみました。毎日できあがりが楽しみで、美味しい予感しかしません。
この後、天気の良い日に1日干して完成しました。
食べてみた
いつもは財布に優しいブラックニッカを飲んでいますが、今日は竹鶴を用意して、いよいよ食べてみます。
見た目はいい感じに酢イカだが、味は果たして!?
口に入れてすぐの味は、知っている味そのものです。
噛んでるうちにヤリイカの風味とか旨みとか出てくるぞーと、期待して噛み続けてみますが何も出てきません。
そのうち、かすかな苦味というかエグ味がでてきます。 これ、何が原因なんだろう、わからないなー。
どうやら素材の良さは完全に消え去ってしまったみたいです。
特筆すべきは噛んでも噛んでもなかなか噛み切れません。 生食や加熱した時よりも断然頑丈になっている気がします。
数本食べるとこめかみが疲れると言えばこの歯ごたえが伝わるんでしょうか。
1回食べると疲れて休憩しないと次を食べれないからなかなか減りません。
さらに気が付いてしまったのが、味が表面近くにしかしみていない!
漬けこみ1週間でも短かったのか、調味料と着色料にはこだわらなかったせいなのか、それとも何か加工が必要だったのか、謎だなあ。
なんと言うか、浅い。 味が薄っぺらい。
総じて言えば、不味くはないが、旨くもない。 歯ごたえがあるから運転中の眠気やボケ防止には良いのかなー。
こうして作った酢イカを食べながら、「次は最初からよっちゃんイカを買ってこよう…」と思いました。数十円、数百円で安定のうまさ。市販の酢イカ、そしてよっちゃんイカは偉大なり。