多摩川の春告魚。今年もマルタに会いに行く!
多摩川の春告魚。今年もマルタに会いに行く!
多摩川といえばその昔、生活排水による汚染で多くの生物が姿を消し、「死の川」などと呼ばれていたことで有名だ。
しかし現在では下水処理施設が発達し、生命の溢れる豊かな川へと生まれ変わった。
そんな多摩川に、毎年春になるとやってくるあいつがいる!!
その名は『マルタ(マルタウグイ)』
無数に出た追星に…
美しい朱色の縦ライン…
遊泳力の象徴!力強い二又の尾鰭
普段は海や汽水域に生息し、体色はかなり地味…
たまに釣れても「外道」として扱われ…
が、3月~4月上旬になると産卵の為に多摩川を遡上し、見事な体色に豹変する。すると、ルアーやフライで狙える格好のターゲットとして人気はうなぎのぼり(笑)
多摩川の風物詩となっている。
ちなみに生息場所は海でも、産卵場所が川であれば淡水魚となる。これは大学で学んでそこそこびっくりしたこと(笑)
マルタとの出会いは3年前。インターネットで知ったのがキッカケだった。まさか多摩川に、こんな綺麗な魚がいるなんて!
それ以来、シーズン中は毎日、毎週のようにマルタを釣りに行った。今思うと恥ずかしいが、学校帰りに制服のまま釣行したことも(笑)
今年もあいつに会おう!
2018年、今年もマルタは帰ってきた!
この釣りで一番重要なのはポイント選び。瀬と呼ばれる浅い箇所を見つけ、そこにマルタの影を発見できればビンゴ。
川の地形は毎年変化し、マルタの付く場所も変化する。去年はここで釣れたのに、今年は水すら無くなっている!といった感じ。なので、今年もポイント探しからスタート。二子玉川から登戸まで、ひたすら歩くと…
画面上部に注目。
川底が黒ずんでいるのがわかるだろうか。遂に見つけた!マルタだ!
はやる気持ちを抑えながらタックルを準備する。主に使うのは4~5gのスプーン。遠投が必要な場合も多いので、7g台もあると良い。
※トレブルフックはスレが多くなるので、シングルフックがベスト。ミノーで狙う場合、リアフックのみにすると、フロントフックが魚の目に刺さる等のリスクが減る。
マルタはルアーを追う魚ではなく、産卵が目的の彼らに食い気はあまり無い。いかに口元にルアーを近づけるかがコツだ。
まず選んだのは4gのスプーン。群れの中にルアーを投げ、スローに巻いてくると…
ジィィィィ… !!
ロッドが大きく絞りこまれた。
河口から約20km、堰を乗り越え、強い流れを乗り越え遡上してきたマルタは力強い引きだ。釣り人が多い場合、あまり走らせる事が出来ないので、強めのタックルをオススメする。
今年も1年ぶりに再開!何度釣ってもやっぱり嬉しい…
魚体はぬめりのないざらざらとした触り心地。鱗はしっかりとしており、そう簡単には剥がれない。
川に遡上してくる魚といえば有名なのがサケの仲間。写真は忠類川で釣り上げたサケ(シロザケ)。こちらも川に入ると姿は豹変し、鱗は表皮に埋もれた状態になる。触り心地は同じくざらざら。
何匹か釣った後、急にパッタリと釣れなくなった。たまにヒットするも全てスレ…
こればかりは魚に聞いてみないとわからない。
しばらくはその状態が続き、気分転換にミノーを投げているとヒット!
この日、「綺麗!」という言葉を何回発しただろうか…(笑)この個体はまるで新幹線のような顔つきをしていた。
この子は優しそう!そしてふくよか(笑)
ベイトでも遊んでみた。
個体差も楽しみながら、ポイントが貸し切りだったこともあり、5時間も釣り続けてしまった。
いやぁ…マルタには申し訳ない…
マルタだけじゃない!
さて、マルタを狙っていると釣れるゲストも多彩なのだ。
定番ゲストのニゴイ。シルバーに輝く鱗がカッコイイ。マシールみたいだ!(写真でしか見たことないけどね!)
こちらも定番のウグイ。降海型の為、通常のウグイに比べてかなりデカイ…
また、ナマズも釣れる。外来種ではあるが、コイや場所によってはコクチバス(スモールマウスバス)も顔を出す。
6月には稚鮎が大量に遡上し、フィッシュイーターは活発化する。
マルタのポイントで、スズキを釣ったこともあった。多摩川に来るといつも思う。生命に満ち溢れた豊かで素晴らしい川だと。
そんな多摩川でマルタを狙えるのは4月上旬まで!短い期間なので、まだ出会っていない方はお早めに…(笑)
きっとその魚体に見とれるはずだ。
また来年会いに行くよ!あ、その前にもう一度会いに行こうかな…(笑)
※漁業権漁場区域内での釣りは、資源保護を目的に遊漁証認証の交付が必要です。
詳しくは 内共第12号第五種共同漁業権遊漁規則 多摩川漁業協同組合・川崎河川漁業協同組合 のサイトをご確認ください。
※釣り禁止区域、釣り具、採捕可能サイズなどレギュレーションを守った釣りをしましょう!