子供と遊ぼう! 沖縄☆潮だまりフィッシング♬
子供と遊ぼう! 沖縄☆潮だまりフィッシング♬
最近なんだか初心にかえった釣りが楽しい。
相変わらずルアーやフライフィッシングといった疑似餌の釣りがメインではあるが、子供の頃、つまり僕が釣りという素晴らしい遊びを知り、やり始めた頃に夢中になっていた延べ竿のウキ釣りに熱くなっている。
シンプルなウキ釣りは釣りの基本だね。
埼玉県で育った僕の最初の相手は「クチボソ」と呼んでいたモツゴ( Pseudorasbora parva )に「マブナ」と呼んでいたギンブナ( Carassius auratus langsdorfii)であった。
釣り好きだった父親に近くの用水路や小川に連れて行ってもらっては小物釣り用の万能竿に、ウキ1個、ハリ1本という仕掛けを結び、練り餌や赤虫エサで遊んだなぁ、うーん、楽しかったなぁ。
僕がそんな釣りにちょいと気持ちを回帰させているのには子供の存在が大きく関係している。
先日小学3年生の娘が釣りをしてみたいと言い出したので、それならば!と僕自身の思い出を振り返り、彼女に重ねてみたのだ。ちょうど彼女くらいの年に僕が父に教えてもらい夢中になった遊びを、今度は僕が娘に伝える番というわけだね。
フナはいないけど、生き物いっぱいの潮だまり
ところで、僕がいま住んでいるのは埼玉県ではなく沖縄県南部のいなか~な地域。身近な釣り場というと、それは海となるので、潮が引くタイミングを見て、海岸にできる潮だまりをのぞいてみた。
海無し県の埼玉育ちだが、大人になって海に囲まれる沖縄に家族で移住した。暑い日はみんなでシュノーケル。
潮が引いたときに海岸にできる、こうした潮だまりが今回の舞台。
そこには僕が少年の頃に親しんだフナはいないけれど、色とりどりの小魚がいっぱい泳いでいるのだ。
また、フナ釣りの際には小川を囲む草むらでバッタが飛び跳ね、空にはヒバリがピチクリ鳴いていたが、その代わりにカニやヒトデに会うことができる。
例えばこんな生き物たちに。。。
カニはいろんな種類がいるが、こちらはイワオウギガニ (Eriphia sebana )。赤い目が特徴だ。
ソデカラッパ (Calappa hepatica)。オーラバトラーのような(ふふふ、わかるかな!?)姿がカッコイイ!
おなじみさんのアオヒトデ (Linckia laevigata)。
ときにはウミヘビに会うことも。おそらくはヒロオウミヘビ(Laticauda laticaudata)。
面白い形のトゲをしているのはパイプウニ(Heterocentrotus mammillatus)
ほかにもナマコだのヤドカリだのウツボだのってあれこれ遭遇しちゃうのが沖縄の潮だまり。自然観察にはとても楽しい場所なんだねぇ。
サンゴの姿だって見られるぞ。もしこちらまで旅行に来られることがあれば、冬でも彼らは元気に動き回っているので、是非海岸まで足を運んでのぞいてみて下さいね!
というわけでちょっと話がそれたけど、釣りの話に戻りましょう~~♬
潮だまりフィッシングの魅力はユルムズだ!
相手は小物だがなかなか手強い。大人もついついアツくなっちゃう!
僕が子供の頃に遊んだフナ、クチボソの小物釣りものんびりしたものだったけど、潮だまり釣りの雰囲気ったら、さらにユルイ。
水深は場所によっては深めなところもあるけれど、娘といっしょに釣るようなところは、もし落ちても危なくないポイントにしか行かないからせいぜいお風呂ぐらいで底も魚もくっきりと見える。
そんな見える相手を見定めて仕掛けを下ろすと、ドワーーーッ!!!と猛烈な勢いで彼らはエサに突進してくる。
ここまでを読むと「なんだカンタンですね」と思われてしまうかもしれないが、実はそううまいこといかないのだ。相手はタナゴサイズの超小物がほとんど。
エサに飛びかかってはくるものの、大きな口でガバッ!とではなく、ハリをさけ、つつくようにしての「エサ取り上手」。しっかりと口にハリに掛かりさせるのは至難の業(とくに慣れない子供には)なのだ。
ユルイようでいてムズカシイ、そんな「ユルムズ」感が、この釣りの魅力っ!!
エサは魚肉ソーセージ
エサを取られやすいいうことであれば、ハリ持ちのよい(ハリから外れにくい)エサを使えばよいのだが、僕らと娘は以下のようなルールを以て遊んでいる。
「エサはギョニソ(魚肉ソーセージ)に限る」
それにはこんな思いがあるからだ。
ギョニソは魚につつかれるとぼろぼろと崩れ落ちやすいのだが、その欠点をどうカバーし工夫して釣るかというところにワクワクドキドキなゲーム性が生まれる!
またフードキャラクターとして素敵なほんわか感があること、釣りの途中でおやつにもなるといった優れた性質を持っており、使ってとても楽しく便利なエサである!!
ギョニソはあらかじめ切っておくと現場で使いやすい。
小さなハリに小さなエサをつける。イライラしちゃうがこれもいい精神修行となる。
慣れない子供の安全を考えると、ハリはかえしをつぶしておくか、かえしのないものを使うのがオススメ
右下に見えるハサミのような道具はフォーセップというフライフィッシング用のハリ外し道具。ハリを飲み込まれたときに小魚の小さな口の中に突っ込んで外すのに便利だ。
魚は目で探し、アワセはウキでしっかりと
なんだかヘンテコ熱いポリシーを掲げてしまったが、それでは釣りに入ってみよう。まずはそっと潮だまりをのぞき様子をうかがう。すると様々な小魚の姿が見えるはずだ。
もしあれば、偏光グラスがあると水中の様子がクッキリとよく見える。
いるかな、いるかな~~。
おっ、おなじみのきれいな青色をしたルリスズメダイ (Chrysiptera cyanea)ほか、スズメダイ系の魚がチョロチョロしているぞ~。
魚の姿を見つけ、あれ釣ってみたいな~と目星をつけたら、泳いでいる深さをみてウキ下の長さを調節し、仕掛けを放り込んでみよう。
釣れるかな~、釣れるかな~。
小魚たちはすぐに飛びかかってくるけれど、ああっ、エサだけとられちゃいましたー。
小魚の中にも、うんと小さいのがいて、仕掛けが沈んでいく間にギョニソはつつき回されハリだけに。そのたびにエサを付けかえては投げ込み、また取られては投げ込み…。
ここで僕は娘にアドバイス。
「オモリをちょっと重くして、底の方にいる大きいのにエサがすぐ届くようにしてみようか」
魚がいる層にウキ下の長さを合わせるのが大事。うんと小さい魚にエサを取られてしまう場合はオモリを重くする。
すると~、
やっとこさフッキング~!!釣れたー。
どうやらネズスズメダイ(Chrysiptera glauca)のよう。淡い色彩がきれいだなぁ。
魚の引きは、まるで地震!?
よ~~~~しっ、この調子でいきましょう!!
エサをとられちゃうことは、このあとも何度もあったけれど、なんとなく感覚をつかんだのかポチポチ釣れるようになってきたぞ。
釣り方のコツを話すと、魚がエサをつつくのも見えるのでついついそこで竿を立ててしまうのだけれど、ウキの動きを見てのアワセが大事だ。「チョンチョン」だとまだ早い。グーッとウキの姿が水中に引き込まれたところで竿を立てた方が、しっかりとハリ掛かりすることが多い。
ウキの沈みにタイミングを合わせることを覚えた娘だが、小魚ながらも力強い引きにかなり興奮したよう。「なんだか地震みたい~~~っ!!」とその感触を表現していたが、子供の感じ方、表現って面白いね。
子供の素直な興奮、ドキドキ感が伝わってくるなぁ。
さて、そんな娘の釣り経験だが、この延べ竿のウキ釣りをする前にもリール竿でやったことが数回あったが、その時はあまり興味を示さなかった。
シンプルで、よりダイレクトに魚のパワーが感じられるっていうところで、今回はハマってしまったのかなぁ。この日は「エサも自分でつけたい!」と積極的に釣りに励み、帰り際には「またやりたい!」とせがまれた。
「いいよぉ、また行こう!」と、僕。なんだかおかしい、そしてうれしい。娘の姿が自分の少年時代に重なったーーー。
こちらはスジブチスズメダイ(Chrysiptera biocellata)。ぽっちゃり系でなかなか引くぞ。
こんな魚。
ふっふっふ。ネズちゃんだけど、とーちゃんも釣れたぜ!
コツをつかんできた娘のこの日ラストワン(ネズスズメダイ)。
釣り場を変えて新たな魚種を追加!
娘のリクエストに応え、次の週の休みにも釣りに出かけてみた。前回は2魚種だったので、さらに種類を増やしてみようと今度は別の海岸に♬あいにくのどんより曇り空であったが3魚種を新たに追加することができた。
あのへんにいっぱいいる~。そうそう、岩の陰によく隠れているんだよね。
この前と違うのが釣れた~。
お見事!いいところにハリ掛かりしているね。ギンユゴイ(Kuhlia mugil)という35cmくらいまで成長する魚の幼魚だ。
こちらはロクセンスズメダイ(Abudefduf sexfasciatus)。
僕が釣ったのは、潮だまりフィッシングとしては大物のミツボシキュウセン(Halichoeres trimaculatus)。スズメダイを狙っていたら、岩陰から飛び出してきた!
この日も2時間ほど、スリリングな釣りを娘は思い切り楽しんだ。前のときに釣れたスジブチスズメダイやネズスズメダイもまた登場してくれて、2人で五目達成!いやぁ、やっぱり楽しいなぁウキ釣りは。子に教えることによって、釣りの基本の面白さをふたたび実感する時間だった。
釣り上げた魚たちは水槽で観察したあと、ふたたび水に戻した。
「また来ようね~~~っ!」
この日の帰り道、勢いよく次の釣行をリクエストしたのは、娘ではなく僕の方であった(笑)。