海外遠征におけるモンスターフィッシュハントでは、岸あるいはボートからのエサ釣りに適したレングスが重要になってくる。数百グラムから1キロ近い餌を遠投出来るキャスティング性能が必要だ。これはピライーバなどの南米産ナマズに限らず、ヨーロッパオオナマズやネパールやインドに生息するアジアの大ナマズ、グーンシュを狙う際も同様である。

ナマズ釣りは奥が深く、どこへ投げても釣れるわけではない。ターゲットがいる場所は限られているのだ。
カープフィッシングを想像してもらえればわかりやすいだろう。自分の投げたいポイントまでキャスト可能な遠投性能は必要最低条件だ。
そのポイントに餌を投げて初めて釣りのこの釣りの第一ステージに立つことが出来るのだ。

次にリフティングパワーと復元力だ。ロッドに求めたこの2つの力は似ているようでニュアンスが違う。
ここで言うリフティングパワーとは魚を止め、持ち上げるためのバットパワーに近い。
復元力とは魚を止め、耐えた時にロッド自身が元に戻ろうとする力で、耐えるだけで魚を浮かすことの出来る力だ。
ピライーバクラスのモンスターフィッシュにはこの2つの要素が必要不可欠だ。

また、Laulau8.5GT-Bにはスパイラルガイドセッティングを採用している。
両軸リールを用いた大型ピライーバとのファイトにおいて、ロッドにはブランクスをねじる形で強烈な負荷が加わる。それも、かなりの長時間にわたって。
マルチピースのロッドを使用している場合、ノーマルガイドセッティングではこの「ねじれの負荷」によって継ぎ目がズレてガイドが回転してしまう恐れがある。
しかし、ねじれを解消するスパイラルガイドによってパックロッドの宿命であるこの問題をクリアー。安心して長時間のファイトに臨むことができる。

そして魚をコントロールすることが可能なレングス。言い換えれば取り回しの良さとも表現できる。
世界のフィールドとその地形が多様であることは言うまでもないが、そのシチュエーションにアジャストできるレングスが必要となってくる。
足場の高さや岩場など魚を取り込む際に障害となるものはいくらでもある。それらをことごとく回避するには、短すぎても長すぎてもいけない。様々なケースを想定し、ベストな寸法を突き詰めた。

最後に海外遠征のための携行性だ。今回は仕舞寸法を機内持ち込み可能な540mmに設計した。これはガイドセッティングとの兼ね合いもある。
アジアや南米、アフリカ、ヨーロッパなど各地を渡り歩いていくとロストバゲッジのリスクはどうしても付きまとう。
また、ロストバゲッジを回避できても、長いロッドケースを使った場合は追加料金が発生し、1～2回の遠征でロッドが買えてしまうくらいのコストが掛かるケースもある。いずれにしても遠征での仕舞寸法は旅そのものの費用に大きく影響するのだ。
また、実際にサラリーマンである俺からすると、出張時にも携行可能な仕舞寸法は絶対の条件であった。

世界で一番、ピライーバを釣った竿

テスト段階でLaulau8.5GT-Bでキャッチしたしたピライーバの数は20を超え、2メーターオーバーは8本近く捕獲したことになる。遠征における必要な要素は全て盛り込んだと、この成果から自信を持って言える。

また、販売にあたってネジ込み式のグリップに加えてストレートのグリップも付属させた。
ストレートグリップを持って行ける場合は、こちらの方が軽くて扱いやすい。特に遠征でのヒラマサゲームやライトGTなどにも使えるので是非チャレンジして欲しい。

おそらく世界で一番ピライーバを釣ったロッドがこのLaulau8.5GT-Bであるはずだ。それが意味することは「淡水域で釣れない魚はいない！」というほどのポテンシャルを秘めたロッドであるということ。

また、今後はこのロッドで海のモンスターフィッシュたちも捕獲していくが、そちらについても改めて報告したいと思う。
KingOctopusはパックロッドの限界をこれからも追求していきたい。

CrazyCrazyJourney with KingOctopus