マングローブリバーツアー2019。西表島フリーク、今年も結集!
マングローブリバーツアー2019。西表島フリーク、今年も結集!
なんだか違うぞ、今年の西表島!
「うぉ~~~っ、なんで、なんで、なんでよぉ~~~~っ!!」
真っ青な空に、マングローブの林に、んでもって、沈黙をキメる川をにらみつけ、僕は心の中で思い切り叫んだ…。
今年もまたこのジャングルもりもりなワクワク島、西表島にやってきた。
昨年の好評を受けて今年は6月に組み、ふたたび僕がエスコート役を務めたトラウトアンドキング主催の八重山諸島・西表島フィッシングツアー2日目はメインメニューのマングローブ林に囲まれた川での釣り。
だが、なんだか昨年とは雰囲気が違うぞ~~~っ。
トラウトアンドキング
http://www.troutandking.com/
この時、僕はフィッシングガイドとともに釣り用のカヌーにゲストの1人Kさんと組んで乗っていたのだが、ううう、今回はキリキリと胃が痛むのであった…。
今年は6月6日からの3泊4日。
日本各地からのゲストのみなさんと新石垣空港で合流!!
※昨年のツアーの様子はこちらで。
http://www.monstersproshop.com/iriomote_tour_1st/
http://www.monstersproshop.com/iriomote_tour_1st/
Kさんも僕も、いいポイントにビシバシとルアーを入れているのに、
「もうなにをどうしたらよいのだ~!!」というくらいの、この日のN川のシブさだったのだ。
魚の反応は全くのゼロというわけではなかったが、とにかく気配が薄かった。
ルアーへのチェイスもほとんどなく、どうにか出したバイトもほんの数回。かけてもバラしてしまい、出船から6時間を越えても船中ノーキャッチという状態のまま夕方を迎えてしまった。
Kさんが今年こそは会いたい!と期待していたテッポウウオ(Toxotes jaculatrix)も釣れず、定番魚のゴマフエダイ(Lutjanus argentimaculatus)も、ナンヨウチヌ(Acanthopagrus pacificus Iwatsuki)も釣れず、ふだんならサブキャラでよく出るコトヒキ(Terapon jarbua)やオニカマス(Sphyraena barracuda)などもなぜか姿を見せてくれず…。
1998年に初上陸して以来、僕も何十回とこの島の釣りを体験しているが、ここまで魚たちの機嫌が悪い日は初めてだ。
地味だが引きが強く楽しい名脇役のコトヒキはこんな魚。
最終日の朝食前、宿近くの港で釣ったもの。
2011年にこの島の海岸でフライで釣ったオニカマス(幼魚)。
マングローブリバーでもおなじみの魚。
「う~ん、ツアー前にかなりの雨が降ったので、川の塩分濃度が変わって魚が移動しちゃっているのかもしれないです…」とガイドの深谷さん。
マングローブの奥へ、根元ギリギリへとルアーを放り込んでいくKさんだったが、まるで反応が出ない。
おっかしいぞ~~~っ。
だが西表島の神様はいらして下さった。
深谷さんから声がかかり、「ここが最後です!」というポイントで、ラスト残り時間10分というときーーー。
ついに水しぶきは上がった!!
鉛のように重たかった沈黙タイムをぶち破り、やっと出てくれたのは、チヌ。
この島でそう呼ばれる魚にはナンヨウチヌとミナミクロダイ(canthopagrus sivicolus Akazaki)がいるが、こちらはミナミクロダイかな。
しかもグッドサイズ♪
Kさん、おめでとうございます!
僕もめっちゃめちゃうれしかったぁ!!!
ミナミクロダイの直前に、同じポイントでKさんが釣った「ミニミニ」オキフエダイ(Lutjanus fulvus)。
ドラマチックな文章構成にするため、あと出しで(笑)。
同じ日にスモールボートで別の川に入ったOさん、Tさん組は、途中、予期せぬアクシデントで釣りが中断となったがルアーとフライでまずまずの釣果を上げた。
上は、Tさんが釣り開始1投目に自作ルアーでキャッチしたゴマフエダイ。
釣り旅の強者たち、ふたたび集合!
やっぱり釣りって気まぐれな自然相手の遊びだよねぇ。
そして、旅にハプニングやアクシデントはつきもの。
遠征釣行のみやげ話によく出てくるセリフであるが、今回のツアーは、このふたつに見事にはまってしまったようだ。
いやぁ、いろいろとあったのだ。
2日目に僕とKさんが苦戦していた裏で、TさんOさん組のスモールボートは途中でエンジントラブルがあり川の真ん中でストップ。
運良く船が通りかかって港まで曳航してもらい、船もチェンジして釣りも続行できたのだが、他にも3日目にゲストのロッドが折れたり、スマホが水没したり、メガネを海に落としたり(これは僕)。また、最終日も石垣島へと戻るフェリーが故障で遅れちゃうし、飛行機は欠航が出てしまい、Tさんは振り替え便に乗れたがKさんは石垣島に泊まるはめになっちゃったり。
ケガや急病で倒れた、強盗に襲われたなどのような深刻なものでなかったのは幸いだったが、こういうのって重なるときは重なるんものなんだなぁ(>_<)
でもねぇ、そんなことがあってもゲストメンバーのみなさんは元気だった。
昨年と全く同じというリピーター構成となったが、それぞれがベテランの釣り人であり、旅人であったので、そんな状況下でも「釣り旅あるある、ですよ~」と楽しまれていた。
2日目のボートアクシデントのあとで曵航してもらっているTさん、Oさん組のボート。不運に見舞われたようですぐに助けの船が現われたというのは強運なのかも!?
それでは初日の島上陸後のインリーフ立ち込みフィッシング(こちらの釣りはまずまずの快釣!)での様子をお見せしながら、そんな強者部隊のメンバーを紹介していこう。
京都府からご参加のTさん。
ハンドメイドルアービルダーでもある。
手にしているのは沖縄でイシミーバイと呼ばれるカンモンハタ(Epinephelus merra Bloch)。
Tさん手作りのキュウリ型ルアーで、僕が後日釣ったゴマフエダイ。
実にいい動きをするんだなぁ。
フライマンであり、ルアーもエサ釣りもたしなむOさんは神奈川からご参加。
海外釣り旅の経験も豊富で、とにかく「持っている」方です。
手にしているのはアミメフエダイ(Lutjanus decussatus)。
Oさんの海外釣行サイト「ルースニングパラダイス」
http://loopara.la.coocan.jp/lupa_001.htm
昨年同様早朝や夜のエサ釣りにも燃えていたOさん。
こちらはヒトスジタマガシラ(Scolopsis monogramma)
Kさんは僕と同じく沖縄本島より出撃。
この冬はアマゾンにも行っちゃうぞという冒険アングラーなのだ。
Kさんと海。
西表島は川も楽し、海も楽し。
静かなインリーフに立ち込んでの釣りもまた気持ちいいんだよねぇ。
今年も満喫!島グルメ
ところで、釣りも最高だけれども、昨年同様めいっぱい味わってきたのが島グルメだ。
もともとダイビングやジャングルトレッキングなどのアウトドアアクティビティの人気スポットでもあり、一般観光でも年間を通して多くの訪島客がある西表島は、八重山そばの食堂からオシャレなカフェ&レストランまでと飲食店の充実度は高く、幅広い選択が楽しめる。
初日の晩に入ったお店のメニュー。
ストレートな沖縄郷土料理から地元食材を使ったイタリアン、それにホッケ焼きなどもあり、観光客も地元客もチャンプルー状態でにぎわっていた。
4人前ではあるけれど、いきなりフエフキダイのアラ煮がお通しでドーン!!
迫力ですなぁ。
骨までサクサクと美味しいグルクンの唐揚げ!
料理が登場するたびに撮影タイムで盛り上がる。
こちらは地魚とキャベツ、キノコのぐつぐつ石鍋。
ちなみにゲストさんたちが着ているTシャツは今回のツアー参加特典としてプレゼントさせていただいたもの。
くるっと背をみせると、僕が描いた西表島フィッシングの人気魚マングローブジャックことゴマフエダイのバックプリント。
ゲスト着用のライトブルーはツアー参加者のみのオリカラだが、女性が着ているナチュラルは、地元フィッシングガイドサービスのマリンボックスさんで販売中。
旅のおみやげにどうぞ!
マリンボックス
https://www.marinebox.net/
お酒好きのKさんは日本酒の飲み比べメニューに、
Oさんはその場で生絞りのパインサワーに大興奮!
2日目の晩に入ったお店でのアダン(左)と紅芋の天ぷら。
アダンは新芽をいただくのだが、ホワっとサクッと柔らかなタケノコのよう。爽やかで乙な味わいだ。
うふふ~っ、石垣牛のタタキ。あっという間に消滅。
沖縄地方ではスタンダードなモズクの天ぷら。
島のモズクは太めでプリッとした食感も気持ちよくオススメですよぉ。
ガイドのマリンボックスさん併設のレストランROCOの島魚のあんかけ。
毎回打ち上げ時のお楽しみメニューなのだ。
こちらは朝食の様子。
宿泊の「うえはら館」では、館内でいただく和朝食セット、あるいは敷地内に立つカフェ「西表の少年」でのサンドセットのどちらかを選ぶことができた。
Oさんと思い出のM川へ…
食べ物の話が長くなってしまったが、話を釣りに戻そう。
この3泊4日のツアーは、移動日となる初日と最終日は島内のオカッパリ(岸からの釣り)を軽くやり、2~3日目を地元の老舗フィッシングガイドサービス・マリンボックスさんの案内によるマングローブリバーでの釣りを楽しむというスタイルだ。
川にはエレクトリックモーターをつけたカナディアンカヌーかスモールボートで入って行くのだが、僕を含め4名のアングラーは2人ずつに分かれて魚たちに挑んだ。
昨年撮影のものだが、マングローブリバーフィッシングでは上のようなカナディアンカヌーのサイドに浮力体、後部にエレクトリックモーターをとりつけたものか、海を渡って入る川ではスモールボートが使われる。
ガイドサービス・マリンボックスのボス、宮城さん。
夜は併設のレストランROCOで料理の腕をふるう。
6月11日。
2日目の僕とKさんでの釣りは冒頭に書いたように厳しい釣りとなったが、さて、3日目はどうなることか。
この日の僕はOさんといっしょにM川に入った。
前日のN川に比べるとグッと小規模な流れだが、かってホシマダラハゼ(Ophiocara porocephala)という大きなものは40cmを超える日本最大級のハゼを今回のツアーとちょうど同じ時期に釣ったことで思い出深い川だ。
Oさんの投げるルアーにも出てほしいなと期待は膨らんだ。
前に石垣島で釣った個体だが、こちらがホシマダラハゼ。
ゴツイうろこに大きなヒレで、初めて釣ったときはミニシーラカンスかと思った。
Oさんはスピニングタックルで攻めた。
水面で魚を誘うトップウォータープラグで、それでも出なければ水中に潜って誘いをかけるミノータイプのルアーで…。
今回僕が使用したルアーたち。
ところで、川を楽しむのは釣り人だけではない。
時折カヤックツーリングの一行が現われ、声をかけたり、かけられたりなんてことも。
西表島の川はカヤックツーリングでも人気なのだ。
「釣れますか~~」
「いやぁ~、今日はまだ~(汗)」
ツーリングなら景色を楽しみつつ川を上って下って…だけでOKなのだが、釣りの場合は魚の顔を見ないことには格好がつかないというのがなんともつらいところ。
だが、この日も前日に負けないくらいタフな1日となってしまった。
雨が降ったりやんだり。
レインウェアを着るとすぐに止んでしまったりと、なんだかからかわれているような天気であった。
スピニングタックルで攻めるOさん(奥)とベイトタックルの僕(手前)。
バスフィッシングタックルがそのまま使えるのがこの釣りのお手軽なところだ。
バットパワーのしっかりしたものがオススメだ。
パックロッドでなくてももちろん大丈夫。預け荷物になるが国内線なら専用箱に入れ丁寧に運んでくれるので6フィートの1ピースでも問題無し。詳しくは航空会社にお問い合わせを。
まさか今日まで釣れないDayだなんて…。
「おかしいですねぇ…。年に何回かはこんな日もありますが…」とガイドの宮城さん。
ううう、その「何回か」の日に当たってしまったのかな。
でも、思い返せば過去の海外釣行でもそんなことがあったっけ。
あのとき北欧のガイドさんは「ストレンジ、ストレンジ(strange:不思議な、変な)…」とつぶやいていたけれど、
この日の宮城さんと同じように「オカシイデスネェ…」と僕に語りかけてたんだなぁ。
とはいえ、苦戦しちゃう日でもなんとか釣ってしまう「持ってる」Oさん!!
スピナーというタイプのルアーで見事ゴマフエダイを釣り上げた。
スピナーは僕も昔から大好きなルアーで、この西表島で初めてテッポウウオを釣ったときもオオクチユゴイを釣ったときに使っていたのもそれであった。
「困ったときのスピナー頼み」!?で、この島に釣りに来られる方には是非持って行くことをお勧めしたい。
Oさんとゴマフエダイ。
スウェーデンのメーカーであるマイヤーのパンサーというスピナーで。
僕もなんとかロウニンアジ(Caranx ignobilis)の若魚を釣り、ボウズを逃れた。
フィンランドのメーカー、ラパラのCD7というミノータイプのルアーで。
U川へ入ったKさん、Tさん組も苦戦で数匹という釣果だった。
上はKさんとギンガメアジ(Caranx sexfasciatus)の若魚。
また来ちゃうからね、西表島!!
結果として、最終日のオカッパリ釣りでもKさんがコチを1匹と、今回のツアーでの全体釣果は、素晴らしい!というものにはならなかったが、
「来年もお願いします!」
と、ゲストのみなさんからはうれしい声をかけていただいた。
今回のラストフィッシュはKさんのコチ!
帰りのフェリーでは、シブい中でも反応のよかったあるルアーを早速通販で大人買いしているTさんが、「来年こそは~!!!」と闘志を燃やしているKさんとOさんがいた。
そうなんだよな、僕もだけれど、あまり釣れなかったときもへこたれることなく、次回旅の夢を膨らませてしまうのがこの西表島なのだ。
楽しい。
何度来ても楽しいんだなぁ、この島は。
なんなんだろう、この魅力は。
数えてみると、僕は次回で17回目の訪島を迎えることになる。
待ってて下さいね、西表島よ。
またみんなで来るからね。