漆黒の海でターポンに挑む・後編(ガボン共和国)
漆黒の海でターポンに挑む・後編(ガボン共和国)
見たこともないまでの漆黒の海。西アフリカの都市部とは100km以上離れたこのポイントは月明かり以外の光が一切ない。そんなポイントにはブルシャークなどの大型のサメや大型のターポン、クベラスナッパー、シルバースレッドフィン、オオニベが混在する。
漆黒の海に足にはサメよけのシャークバンドを付けて立ち込む。サメが遊泳可能な水深までは立ち込まないが、漆黒の闇夜では恐怖が人の心を支配する。そんな不安も釣り人にとっては一瞬にすぎない。100gを超すルアーを波のブレイクラインを越してフルキャストし始めるとそんな恐怖は一瞬にして好奇心に変わる。
2018年のメインフィールドは超大型のラグーンからの払出しからのショアキャスティング。干満差があいまってラグーンからの払出しは想像を超えた流れに変わる。この払出しこそがベイトフィッシュを待ち受ける大型魚の狩場になる。
各自、タックルをセッティングし、時合にあわせて闇夜に消えていく。
キャストを繰り返しながら、昨年のヒットパターンに合わせて実績のある100gのシンキングペンシルルアーを1時間フルキャストし続ける。流れに乗せながら着底を確認。底からのスローリトリーブを開始すると大型の魚が吸い込むような明確なヒット。
8.3ftのGT用のパックロッドが大きく絞り込まれる。そこですかさず合わせをいれる。ものすごい勢いでラインが出される。ドラグは初期設定で10kg以上。簡単に出していくターゲットは狙っているターポンだ。
漆黒の海で視線の先5m以上は見えない。止まっては出されてを繰り返していると、ガイドがラインの出かたでターポンだと。確かに何度か変なラインテンションの抜けがある。ラインが100m以上出されているので、ラインが水中なので飛んでもわかりにくいのだ。2017年に圧倒的なパワーの前に屈した苦い思い出が蘇る。今年はラインの号数を8号まであげている。勝負はできるはずだ。
ドラグを締め上げていく。それでも止まらない。おそらくドラグはロッドを立てて耐えられる限界の15kgは超えている。さらに絞り込みロッドの角度をつけずにファイトをしていく。25分ほどファイトしただろうか。
出されたラインがいきなり軽くなった。ラインブレイクだ。回収したラインはメインラインから切れていた。PEライン8号で最終ドラグ21.5kgでも止まらない。完全敗北。
初日の夜から西アフリカの洗礼を浴びることになった。
翌日からはサーフからのターポンフィッシングとトップでのジャック、クベラスナッパーの釣りを繰り返していく。日中はボートフィッシングとサーフフィッシングを交互にしながら夜はサーフフィッシングだ。
朝マズメにボートからキャストをしていくと2キャスト1ヒットでジャックが食ってくる。この手の魚はポッパーが大好きだ。
他にもクベラなどがバンバン食ってくる。アマゾンの楽しさに似たアグレッシブな釣りが楽しめる。
そしてガボンの海域の魚影の濃さに驚かされる。ボートではなく、サーフでシンキングペンシルルアーやダイビングペンシルルアーを投げると色んな魚が襲ってきてくれる。
クレバルジャック(CrevalleJack/Caranx hippos)
クベラスナッパー(Cubera snapper/Lutjanus cyanopterus)
これは新種かもしれないということでDNA鑑定中の1匹。
ターポンのメインルアーもクベラスナッパーのワンバイトで7箇所も穴があいて使い物にならなくなる。。
そんな日中の楽しめる釣りと比較し、ナイトサーフフィッシングは次元が違う。闇夜の怖さに怯えながらひたすら投げ続ける。そうすると答えが帰ってきてモンスターとのファイトが始まるのだ。
ナイトサーフフィッシングでは他のメンバーもかけるも圧倒的なパワーと離岸流、ラグーンの払出しの流れであえなくブレイク。
このあとも他のメンバーも掛けていく。掛けるも30分以上ファイトして最後はやられるのだ。
30分以上の死闘の末でも笑顔に慣れるくらいやられる爽快感があるのが、このターポンフィッシングの魅力だ。
サメではないか。という疑問もあったが、30分以上ファイトしてもリーダーからのラインブレイクが皆無であること。そして沖で跳ねている感触があることからターゲットはモンスターターポンだ。ガイドたちもサメではないと断言している。
そんな日々を繰り返す中、ジャングルにゴリラや象を探しにいった。一時の休息である。
水たまりには見たこともない小魚が遊泳していた。
他にも大型のヤスデなども。
そして野生のアフリカ象にも沢山出会えた。ガボンには非常に多くのアフリカ象が生息している。夜にはロッジに象が現れるくらいだ。
ジャングルウォーク後にまたナイトのサーフフィッシングに出かけていく。最終日だ。もうメンバーもヒットの仕方もわかってきている。キャスト開始から1時間ほどしてヒットの声。
同行者が掛ける。途中からはドラグを25kg掛けて直線的にファイトするもPE8号を300m出されて終了。為す術なくフルライン出される。
他にも日本にいるオオニベ(Jewfish/Argyrosomus japonicus)と全くの同種もチラホラとキャッチ。無論、タックルが強いためすぐにあがってくる。
そして私にも1年越しの結果が問われるターポンの最終日のヒットが訪れた。頭は至って冷静で、やり取りも慎重に繰り返した。しかし、河口域の離岸流に乗ったターポンはラインをズルズルと引き出していく。
為す術なくやられてしまう。
そのファイトのあとに違う魚がヒット。今度は違う魚のようだ。
最後にあがってきたのは大型のシルバースレッドフィン。これも10kgは超すサイズなのでパワーは尋常ではないが、ターポンのそれと比べれば大したことはない。でも綺麗な個体だ。
今回はターポンのヒットが7回、サメ1回という結果に終わった。この海域は50kgのクベラスナッパーも存在する。精魂尽き果てたが、シーズンを通して海外の釣り人が1本や2本キャッチしている80kgをこすターポンをいつかこの手に抱いてみたい。そして過去の釣りにない、どうしようもないターゲットに勝つまでは通い続けることになる。
フックはこのような巨大なGT用のシングルフックを使用。
2年連続でコテンパンにやられたのを聞いても参加したいという仲間と、今年は12月に挑む予定だ。
使用タックル
ロッド:TRANSCENDENCE Laulau83GT-S、ShoreR98
リール:SHIMANO Stella20000PG+20000MAXスプール
ライン:YGKよつあみ オッズポート8号+磯ハンター20号+リーダー200lb
ルアー:TACKLE HOUSE CONTACT Britt SW 145mm 98g、Giraffe Mars collection Metronome, Hrizon
フック:シングルフック、OWNER ST66 3/0
ツアー会社
XstreamTours:https://www.xstreamtours.com/
漆黒の海でターポンに挑む・前編はこちら
http://www.monstersproshop.com/gabon-tarpon2018part1/