脚の生えたウナギ 「アンフューマ」を捕まえて食べた(米・ルイジアナ州)
脚の生えたウナギ 「アンフューマ」を捕まえて食べた(米・ルイジアナ州)
幼少の頃,動物図鑑で不思議な生き物の存在を知った。
挿絵に描かれたその生物は黒くて細長く、まるでウナギにそっくりな姿をしていた。
だがただ一点、大きく違う部位があった。
ウナギには絶対に無いはずの「脚」が生えているのだ。
「脚が生えているウナギ…。一体どんな味がするのだろう?やはりウナギに似ているのだろうか?」
ウナギに生えてるのは脚じゃなくて胸鰭だろう。
たった二日の弾丸採集スタート
そんな素朴な疑問を、僕は20年間抱き続けてきた。
解決できなかった理由は、その生物の産地が日本から遠く離れたアメリカ合衆国南部だったからである。捜索行の出発点はテキサス州ダラス
だがこの夏、遂にその疑問を解く機会が遂に訪れた。テキサス州への出張が入ったのだ。
僕はこの機を逃すものかと、すべての仕事を終えた後二日間の休暇を取り、「脚ウナギ」探しを敢行することにした。探索の相棒となるレンタカー。後にとてもビミョーな形でお別れすることになるのだが…。
広大なアメリカで、地道にポイント探しから始めないといけない。よって、どうしても自由に動き回れる足が必要となるため、まずダラスフォートワース空港でレンタカーを借りる。
僕はペーパードライバーで車の運転が怖くて仕方がない。なので絶対に海外で運転なんてしたくないと常々思っていたのだが、背に腹は変えられない。脚ウナギのためなら何でもする。
餌とトラップを買いに
バスプロショップスという大型アウトドアショップへ。店名はブラックバス釣り専門の釣具屋さんっぽいが…
聞き込みと装備の購入を兼ねて釣具店(というか狩猟採集の総合店)へ向かう。
バスどころか、釣りに限らずあらゆるハンティング用品を扱っている。
脚ウナギはテキサス州でも東部の限られた地域にならいないことはないが、特に多いのはルイジアナ州の湿地帯だという。
なるほど、確かにネットで調べてもルイジアナ州で採集された個体の画像がよく出てきたな。
ザリガニ用トラップを二つ購入。もっとたくさん買いたかったのだが、シーズンオフで品切れらしい。
捕まえ方についてだが、そもそも脚ウナギを狙って獲ろうとする者はまず居ないらしい。ハンティングのターゲットにはなっていないのだ。
その代わり、ザリガニ捕り用のトラップでたまに混獲されるという情報を得た。さっそくトラップを買い込む。塩漬けの小魚。中南部アメリカで盛んなナマズ(チャネルキャットフィッシュ、ブルーキャットフィッシュなど)釣り用の餌だ。
難儀したのがトラップに仕込む餌だ。
日本なら釣具店でもスーパーでも生魚を容易に入手できるが、アメリカではそうもいかない。
本当は新鮮な魚の方が匂いが強くて餌に適しているのだが、仕方なくナマズ釣り用の塩漬けの小魚を購入する。塩漬け小魚には赤や…
緑色といったカラーバリエーションがある。アメリカは釣り餌まで着色料バリバリなのか…。そもそも着色する意味はあるのだろうか。
片道10時間近いドライブの末、ようやくルイジアナ州のとある街へたどり着いた。
まずウォルマートへ立ち寄り、追加の餌とフィッシングライセンスを購入する。
ウォルマートのシーフードコーナーへ。
この手のトラップに仕込む餌として効果的なのがサバやイワシなどの青魚。
それら求めてシーフード売り場へ行ってみる。が、ウォルマートをはじめアメリカ(内陸部だけか?)のスーパーでは新鮮な魚はほとんど売られていない。
生魚といえば、せいぜい白身魚やサーモンの冷凍切り身が冷凍庫に並んでいるくらいである。
アメリカではアフリカ原産のティラピアが食材として市民権を得ているようだ。
やはりナマズ人気は根強い。たしかに、アメリカのナマズはフライにするととても美味しいのだ。
鶏のハツとモツを購入。これも脚ウナギに対して実績のある餌らしい。
やはり青魚を入手することはできなかった。代わりに精肉売り場で鶏のハツとモツを、アウトドア用品売り場で釣り餌のミミズを購入。
餌はこのくらいでいいか。
SPORTING GOODSとあるが、実際はアウトドア用品ばかり。
カップ入りのミミズは冷蔵庫で保管されていた。マスコットの不敵な笑みが頼もしいぜ。
アメリカは遊漁やハンティングの先進国。魚やザリガニを捕るにも州ごとのライセンスが必要となる。スポーツコーナーのカウンターでフィッシングライセンスを申し込むが日本人からの申請は初めてだったようで、非常に難儀していた。
食事は「せっかくアメリカに来たのだからとびきりジャンキーなものを」とウォルマートのフライドチキン(8ピース入り$5.98!)やチェダーチーズとローストビーフたっぷりの馬鹿でかいサンドウィッチなんかを試す。どれも美味いが、とても胃がもたれる。
飲み物にも原色へのこだわりが垣間見える。マウンテンベリー味のスポーツドリンク。マウンテンベリーってのがどんな果物は知らんが、さすがにこんなスカイブルーではないだろう。
駄菓子もカラーリングが凄まじい。特にグミ系はケミカルな味わいと相まってアメリカへ来たことを実感させてくれる(酸っぱい味付けのものは見た目に反して割と美味しい)。
超有力情報をGET!
ルイジアナには脚ウナギが棲んでいそうな湿地帯がやたら多い。ポイントを絞り込むためにさらに聞き込みを重ねると、ある湖の周囲に張り巡らされた排水路に多数生息しているという有力な情報を手に入れることができた。
「いっぱいいるから、ザリガニトラップを仕掛ければたぶん捕まえることができるよ。」ということだった。
よっしゃ!これはもらった!
「でもあんなもの探してどうするんだい?」とも聞かれたが、「食べる」と答えるとルイジアナにおける日本人へのイメージが偏ってしまう気がしたので
「しゃ、写真を撮りたいんです…。」と濁しておいた。
道中のガソリンスタンドにはワニ頭の剥製やワニの牙を使ったアクセサリーが売られていた。
すぐにでも現場に行きたいところだが、異国での長時間の運転で身体も精神も疲れ切っていた。瞼を開けているのが辛い。
これ以上ハンドルを握ったら確実に事故を起こすだろう。はやる気持ちを抑え、おとなしくモーテルで休むことにした。
ファストフード並みにあちこちで見かけるチェーンのモーテル「Super 8(スーパーエイト)」で休息を取る。素泊まり一泊で30ドルもしない。部屋は暗くてwifiの接続も不安定だが、安心して睡眠をとるには十分。
洪水で振り出しに戻る!
だが、直後に状況は一変した。突然の大雨で洪水が起きたのだ。
凄まじい勢いの雨が断続的に降り続く。
どうもこのところ毎日こんな具合で、ルイジアナ西部では各地で局地的な洪水が頻発しているのだという。
iPhoneのディスプレイに、もっとも見たくなかった通知が表示される。
翌朝遅くに目を覚ますと、昨夜の豪雨が嘘のように道路はおおよそ乾き始めていた。
真夏のルイジアナの日差しがいかに強いかを思い知った。
しかし、川や湖など水辺の近くを通りがかるとその爪痕はたしかに刻まれていた。
うわぁ…。
水辺の生物を探すには絶望的なコンディション…。
…非常にまずい状況である。
胸騒ぎを覚えながら、「鉄板ポイント」である湖を目指す。
湖への道がすべて通行止めに!
残念ながら嫌な予感は的中した。
湖の湖畔へ続く道がすべて洪水の影響で封鎖されているたのだ。
これではポイントへ辿り着くことすらできない!いや、仮にアクセスできても、きっと排水路は水没しているか濁流と化しているだろう。
万事休す。泣きそうだ。もう30歳なのに泣きそうだ。
わずかな望みをかけて移動!
だが、時間は残りわずか。くよくよしている暇は無い。
もう今夜のうちに帰路につかなければ日本行きの航空便に乗り遅れてしまう。
震える手でGoogle Mapsを開き、付近の水辺をチェックする。この時、僕の顔は真っ青だったことだろう。ここでどうだ!
なんとか自然が豊かで、かつ洪水の影響が薄そうなエリアを見つけた。
密度は分からないが、脚ウナギも多少は生息しているだろう。そう信じるしかない。ここから先は運に勝負を託すしかない。
日本ではまず見られない絶景だ…。
問題はこの湿地があまりに広すぎることだった。大急ぎでポイントを絞り込まなければならない。
聞き込みやネットで得た情報によると、ターゲットが好む条件は「浅くて」「淀んだ」「植生の豊富な」水辺だという。
ぬかるんだ道を慎重に走りながら湿地帯を見回る。
運命の沼
日が暮れ始めたころ、湖から盲腸のように突き出て取り残された沼地を通りがかった。
見るからに水深は浅く、水面は大量のウキクサで覆われている。
おお…!
頭の中で思い描いていたとおりの、理想的な環境だった。
「ここだ!ここに賭ける!」
普段であれば「もっと良い場所があるかも~。」と、あと何か所か候補地を探すところなのだが、今日に限ってはそうも言っていられない。
もう時間が無い。ここで時間いっぱいまで全力投球しよう。
いかにもな雰囲気!
ヘビやカエル、小魚などとても興味を惹かれる小動物たちがたくさんいたが、彼らに構っている余裕すら無かった。次回の訪問時には彼らの写真をたくさん撮りたいものだ。
僕は脚の生えたウナギを獲りに来たんだ…!そのために蒲焼きのタレも日本から持ってきたんだ…!!
ザリガニトラップに塩漬けの小魚と鶏のハツ・モツを詰めて水際に投入する。
なお、トラップは天井の部分をほんの少しだけ水上に露出させておく。普通のウナギが相手なら気にしない所だが、狙いの「脚ウナギ」は空気呼吸を行うため、息継ぎの余地を残しておかなければならないのだ。
ザリガニトラップは日本で言うところのカニカゴやビンドウと同じ原理。造りはずっと大雑把だが、シンプルで頑丈かつ必要十分。アメリカ感に満ちている
そしてもうひとつ、日本から秘密兵器を持ってきた。
ウナギ針だ。
細長い相手を釣る際の必須アイテム「三越うなぎ針」。アメリカでは入手できない日本ならではの漁具。
ウナギを珍重する文化を持つ日本だからこそ開発された、対ニョロニョロ系専用の釣り針である。
これを、アメリカならではの漁法と組み合わせて使う。
頑丈な縒り糸へオモリとともにウナギ針を結ぶ。日本でウナギを釣る際に活躍する「ペットボトル釣法」とよく似た仕掛けだが…。
ペットボトルに釣り糸を結び、その先端にウナギ針を取り付けて餌のミミズを刺す。そしてそれを沼の水面へいくつも投げ込むのだ。
これは本来はプラスチック製の水差し(Jug)を用いることから「Jugging(ジャギング)」と呼ばれている漁法である(本来は主にナマズ捕りで使用される)。
獲物が針を咥えると、水面のペットボトルが動くのでそれを追いかけて回収するという寸法である。使用できる条件はかなり限られるが、状況次第ではなかなか効率が良い。
これをペットボトルごと水面にぶち込むのがアメリカンスタイル。
大量の蚊に刺されながら、ウキクサまみれの水面を眺めること二時間。何の動きも無い。
しびれを切らしてザリガニトラップを引き上げてみると、中には日本のコガタノゲンゴロウ(Cybister tripunctatus)にそっくりなゲンゴロウが入っていた。かなり嬉しい収穫だが、本命が採れていない焦りから素直に喜ぶことができない。
トラップではゲンゴロウの一種が採れた。しかし、本命は不発。
捕れ……てた!!
そして再度トラップを投入したその時である。投げ込まれたトラップのそばに浮かんでいたペットボトルが不自然に動いた気がした。
…気のせいだろうと思ったが、直後に小さく、本当に小さく、その傍に浮かぶウキクサの絨毯が揺れた。
「何か掛かってる…!」
胸を高鳴らせながらペットボトルを引き上げると、その先には…!
獲れたああ!脚の生えたウナギこと「アンフューマ」だ!
40~50cmほどの細長い、青黒い物体がぶら下がっている。
お、おおお!これぞ探し求めていた脚の生えたウナギ、「アンフューマ(Amphiuma)」だ!
かなり気性が荒く、取り扱いに注意が必要な生物だと聞いていたが、弱っているようであまり元気が無い。
僕が気付くずっと前から針に掛かっていたらしい。苦しかったろう。悪いことをした。
…まあ、どれだけ優しいフリをしても最終的には食べてしまうのだが。
おおお…。本当に脚が生えてる!オマケ程度のが!
ぬたぬたと身をくねらせる動きはまさにウナギのそれ。
ふと見ると針につながる釣り糸はチリチリに寄れている。そういえば地元の人が「アンフューマは何かに噛みついたらはデスロール(身体をきりもみさせて獲物を引きちぎる動作)するから気をつけろよ!」と言っていたな。
そんなところもウナギにそっくりだ。
そして何より注目すべきは二対の「脚」である。
はっきりと三本の指が確認できる。これは今回捕まえた「ミツユビアンフューマ」の特徴。他の地域には「フタユビアンフューマ」と「ヒトユビアンフューマ」もいる。
たしかに小さいながらも、めちゃくちゃ小さいながらも脚が生えている。水上や浅瀬を這う際に補助的な役割を果たすとも聞くが、あまりに貧弱すぎてそうも見えない。
よーく見ると三本の指が確認できることからこの個体はミツユビアンフューマ(Amphiuma tridactylum)であることがわかる(そもそもこの地域にはミツユビアンフューマしか生息していないようだが)。後脚。弱々しすぎてなんだかかわいい。
お察しの方、ご存知の方も多いだろうが、アンフューマは両生類、イモリやサンショウウオの仲間である。いわゆる有尾類というやつだ。
では、普通トカゲ型である有尾類がなぜこんな形態になったのか。きっとウナギ的(あまり遊泳せずに頻繁に息継ぎをするからタウナギ的と言うべきか)なライフスタイルを送るにあたって、何かの隙間や泥に潜り込む上で邪魔になる脚は不要と判断したのだろう。
この方向へ進化が続くと、やがてサイレン類のように後脚が退化し、ついにはアシナシイモリのように前脚も消失するのだろう。
眼には瞼が無い。視力は非常に弱いようだが、代わりに嗅覚が発達している。また、頭部に並ぶミシン目状の感覚器が並ぶ。これは水の振動を感知するものかもしれない。
また、体表は滑らかでヌルヌルした粘液に覆われているが、ウナギやアナゴほど強烈なヌル加減ではない。頑張ればなんとかつかめる程度だった。頭部を腹側から見たところ。やはり点状の感覚器が確認できる(絶命後に撮影)。
口内には小さいが硬く鋭い歯が並ぶ。そしてなんと、舌が無い。
尾は縦扁しているが、鰭状になっているわけではない。まじまじ観察してみると、やはり全体的な体型はより生活スタイルの似ているタウナギに近い。
味も意外とウナギっぽい!?
ああ、ついに写真でしか見たことの無かったアンフューマを生で見ることができた。しかもこんなに追い詰められた状況下でドラマチックに。感無量だ。
…おっといけない。帰りの時間が目前に迫っているのだった。暗くなる前に、調理と試食に移らなければ。
もちろん調理法は…蒲焼きだ。
アンフューマ、いただきまーす!あんまりかわいいからもったいない気もするけれど。
この個体はまだまだ若い。特大個体は1m前後にまで成長するという。
カッターナイフで腹開きにする。身は綺麗な白身で、血はあまり出なかった。肉に触れてみると、やや水っぽい柔らかさを感じる。
調理ももちろん屋外。キャンプ場へ移動し、ウォルマートで購入したカセットコンロで焼き上げていく。
いったん白焼きに。なんというか…、筋節の走り方や肉の質感はウナギには程遠い。
日本から持参したOLFAのカッターナイフで腹開きにして捌き、さらに日本から持参した蒲焼きのタレで焼き上げていく。
ルイジアナに似つかわしくない香ばしい匂いが漂い始めたところで、脚ウナギもといアンフューマの蒲焼きの出来上がりだ。
さらにタレをつけつつ焼き上げて完成!「アンフューマの蒲焼き」!
見た目は…。ウナギっぽくない。当然かもしれないが、むしろヘビなどの爬虫類に近い印象を受ける。
うーん。これきっと全然ウナギっぽくないんだろうな。たぶん鶏肉みたいに硬いか、タウナギみたいにサクサク、コリコリした食感に違いない。
調理法を間違ったかと早くも後悔し始めるが、食べてみないことには分からない。とりあえず、いただきます!
さあ、どんな味なんだアンフューマ!
かぶりつくと、すんなりと歯が肉に入っていく。予想に反して柔らかい…!
そして、もちもちプルプルとした皮の食感はウナギのそれにとても近い。
脂もそこそこ乗っていて、意外と蒲焼きに合っている。
あれ、思ったよりウナギ感あるな、アンフューマ。ヤツメウナギやタウナギの硬い蒲焼きに比べると、よほどウナギに近いと言える。
あれっ!?割とウナギだなコレ!代用品になるようなレベルじゃないけど。
ただし、もちろんウナギの代用になるようなものではない。
味はウナギというよりその他の淡泊な白身魚に近い。しかし、どこかほんのりと鶏肉に近い風味が漂う不思議な味わいだ。
蒲焼きよりは香味野菜と煮込んでスープにするなどした方がよいだろう。
結論としては「まあまあウナギっぽくて、まあまあ美味しくて、なんだか不思議な味」といったところか。
単純に味の良し悪しで言えば道中で食べたサンドイッチやハンバーガーの方が美味しかった。
けれど僕にとってはこのアンフューマこそがアメリカでとった食事の中でもっとも素晴らしく、深く思い出に残るものとなった。
エピローグ:結局、飛行機に乗り遅れる
トラブルもあったが、最終的にはアンフューマを捕らえて食べることができた。
大満足のうちに日本へ帰れるぞ。
ああ、ルイジアナは街も自然も素晴らしかった。できればもっとゆっくりしたかったな。年内にもう一度来ようかな…。
今からダラスへ向かえば、休憩を挟んでも搭乗予定の便まで4時間ほどの猶予を持って空港に着く計算だ。余裕だな!
…そう思っていると、ハンドルとアクセルに違和感が。
急いでタイヤを確認すると、なんとタイヤがパンクしているではないか
スペアタイヤへの換装に臨むが僕はバリバリのペーパードライバー。タイヤ交換の経験がほとんど無い。
なんとなくで換装したタイヤで異国の地をロングドライブするのは怖いので、ロードサービスを呼ぶことした。
しかし、最寄りの店舗からの回答は「洪水で通行止め多いから、お前んとこ行くのに2時間くらいかかるわー」というもの。
まあ、まだ大丈夫!
休憩を削って頑張れば2時間半前には空港に着ける!
そしてスペアタイヤを履いて走ること約850km。
ようやく空港が見えてきた!というところでまた車の挙動がおかしくなった。しかもハイウェイ上で。
…またパンクだ。大慌てでハイウェイと一般道の間にある芝生に乗り上げて停止。やばい!出発まであと2時間ちょっとしかないのに!
レンタカー会社に助けを求めると「OK、すぐに行く」との返事。まあ、目の前だからなんとか間に合うよね…。
しかし、いつまでたっても救援のレッカーが来ない!「車置いてタクシーで空港に向かっていいか!?」と聞くも、「何かあったら全額お前が賠償することになるからな」と釘を刺される。おおう、それは怖い。
みんな、海外旅行では十分すぎるくらいに余裕を持ってスケジュールを組もうね!予想できないようなトラブルが待ってるかも知れないゾ!
結局、レッカーを待って空港のカウンターにたどり着いたのは離陸30分前。
当然のごとくJALのカウンターは空っぽ。eチケット片手に職員さんに頭を下げて回るが、もはやどうにもならず。払い戻しもできないらしい。
僕は搭乗予定だった飛行機が飛び立つのを見送り、アメリカン航空のカウンターで数時間後に発つ成田行きのチケットを買い直した。
14万円の追加出費。急に懐具合が寂しくなってしまった。
…年内を予定していたルイジアナ再訪は、もうちょっと先延ばしになりそうだ。