高麗桂魚(コウライケツギョ)と韓国の魚たち
高麗桂魚(コウライケツギョ)と韓国の魚たち
中国にケツギョという魚がいる。
銀色に輝く、異様に肩の盛り上がった魚体は僕の憧れだった。とにかくカッコいい魚なのだ。釣ってみたい。
しかし、この魚は乱獲や環境汚染によって数を減らしており、残念ながら釣るのは非常に難しいという。でも釣りたい!いや、しかし現実的でないか…。
悩んでいる時に、兄が声をかけてくれた。
「韓国にもケツギョいるよ。」
ネットで調べて一目惚れ
「あ、高麗桂魚(コウライケツギョ)ってやつ?あれって、どうなん?釣れるん?」
完全に存在を忘れていた。というか、存在こそ知っていたものの、その実態については全然ピンと来ていなかった。
「ネットで調べてみ。結構釣れてるよ」
兄の声が弾んでいる。彼もこの魚を昔から釣ってみたかったらしい。
韓国旅、第一のターゲット 高麗桂魚(コウライケツギョ)
兄からの情報を元に、すぐさまコウライケツギョをネットで検索してみる。
「え!?あ!めっちゃかっこいい」と思わず一人で言ってしまった。
「高麗桂魚」字面だけでももうカッコいい。もちろん魚自体も、名前負けせずカッコいい。いや、名前以上にカッコいい魚だと思う。
韓国に生息するこの魚は、現地では「ソガリ」と呼ばれているそうだ。
「よし、ケツギョの前にこいつを釣ってやろう!」と意気込み、さらなる情報を求めてネットをさまよう。…が、この魚を釣っている日本人がほとんどいない…。釣っている人は見つかっても、具体的な情報はやはり少ない。
完全に豹柄。こんな魚が日本のお隣り、韓国に生息しているのだ。
こうなったら奥の手!
韓国人の友達にわけを話して、韓国語で調べて貰おう!というわけで、とりあえず韓国人の友達であるソフィアに連絡。
「ソガリ釣りたい。」
ソフィア「釣りたいって韓国まで来るの?」
「もちろん、どこにだって行く、北朝鮮との国境線でも。だから、ソガリがいる川を3つ調べて教えて欲しい。ソフィアが日本へ来た時は、代わりに日本を案内するから!」
ソフィア「相変わらず、クレイジーなこと言い出すね。じゃあ、あとで調べるね。」
「あとで」…。この言葉が出てしまった。これはめんどくさいから調べず流すパターンだ…。
と思って半ば諦めていた。が、しかし、なんと、まさかの、次の日。
ソフィア「いる場所わかったよ。でも結構難しいみたいだね。この3つの川だよ。そしてこっちはソガリを釣っている韓国人のブログ。ではグッドラック!」
なんという!!女神か!!
これだけ情報をくれれば、あとは韓国語で川の名前とソガリをgoogleにタイプして出てくる写真をひたすら、ストリートビューと照らし合わせればいい。
下準備終了!
いざ、出発!
もちろん兄も一緒!
日程は4泊5日。韓国と日本の往復で飛行機代20,000円!…安いな。
ところで、ソガリについて調べるうち、韓国には他にも、僕の心をくすぐってやまない「カッコいい魚」たちが生息していることがわかった。
ソガリのついでと言っては何だが、彼らにもぜひ会いたい。釣りたい。
第二ターゲット コウライオヤニラミ
まずコウライケツギョと同じスズキ目ペルキクティス科に分類される「コウライオヤニラミ」という魚が、これまたカッコいい。
西日本に生息しているオヤニラミにごく近縁な魚であるが、ずっと大型になる。
また、この魚は非常に好奇心が旺盛であり、動くものであれば何にでも興味を持って飛びかかってくる。
現地では「ッゴクチ」と呼ばれているようだ。これもぜひ釣ってみたい。
第三のターゲット スカイゲイザー
ここまでスズキ目の魚を続けて紹介してきたが、最後は毛色を変えてコイ科の魚を。琵琶湖に産するワタカに近縁なスカイゲイザーという大型魚で、大型個体は全長1メートルを超えることもあるという。
主な生息地は、中国大陸であり、大きものはでは全長1メートルを超える。韓国では「ガンチュチュ」と呼ばれているようだ。
こいつも前出の二種と同じく獰猛なフィッシュイーターで、ルアーへ果敢にアタックしてくるらしい。
今回のメインターゲットはこの三種であるが、特にコウライケツギョに関しては他の魚とは惚れ込み度がまるで違う。
というわけで、これらの魚を求めた韓国二人旅がいよいよ始まった。
1日目
韓国って都会だ…。
さすが日本の隣国。空港では日本語が通じる。素晴らしい。
とりあえず、予約しているレンタカーを受け取りにいく。受付の女性がキレイだ。しかも、日本語がペラペラ。ペラペラ過ぎる。あれ、もしかして日本人ですか?思わず訊ねる。…違うらしい。恥ずかしい…。
まずは買い出しに精を出す。四日間分の食べ物と飲み物を買い漁る。それにしても、スーパーにさで網が売られている素晴らしさよ!
ノドグロが安い!!衝動買いしそうになってしまった。
買い物を終えたらいざ出発!!レンタカーの乗り心地はかなり快適だ!
夕暮れにポイントに到着!! やる気満々だが、それにしても格好がダサすぎる。
…あっという間に暗くなってしまった。夜はポイントもよくわからないので、数時間だけ釣りをして竿を仕舞う。
ちなみに、韓国でのファーストフィッシュはまさかのブルーギル…。嫌な予感で初日を終える。
明朝からはいよいよ本気モードの釣りが始まる。早めに就寝して体力を回復させておこう。
1日目の釣果
ブルーギル・・・1匹
2日目 幸先だけはよかった‼︎
数時間のドライブで釣り場に到着!さぁ!釣りをしよう!と思ったが、藪漕ぎがやばい…。水辺までどんだけ遠いんだよ!!と腹を立てながら、ようやく川へ出た。
とりあえず、適当なルアーをここぞというポイントへ投げる。
…答えはすぐに出た。いきなりのアタリ。
「マジで!?もう!?」
と興奮したものの、顔を見せたのは30センチちょっとのラージマウスバス…。だよね…。そんなに上手くはいかないよね…。
まあ、狙ったところで食ってきたので非常に嬉しかったけども。
今度は「おっしゃ!来たで!」と兄。ふーん、バスは結構いるんだな。と思っていたら…。
「ソガリや!!マサ!!マジで頼む!」
まさかのソガリ‼︎コウライケツギョ‼︎高麗桂魚‼︎
任されたランディング。もしミスったら…!緊張というか恐怖…。
ここだ!というタイミングで魚体を鷲掴み!!全身全霊を込めて握りしめる。そのまま、岸まで猛ダッシュ!
「おっしゃーーー!!!やってやったぜ!!!でかいやんけ!!うお!!」
叫ぶ兄の手は震えていた。
あっという間に姿を見せたターゲット。
これは…、結構な数のコウライケツギョがこの場にいるのではないか?最初のポイントで、パラダイス発見か!?
…と思ったのだが、そんなに美味い話は無かった。まあ、パラダイスには違いなかったのだが…。いや、地獄と言うべきか…。
写真撮影を終えた後、二人とも安堵の顔で釣りを再開。
すぐに「来たで!!!」と全く同じ場所で兄が魚をかけた。またコウライケツギョ!?と思ったが、ラージマウスバス。まあ、そんなに簡単じゃないよね。
韓国のナマズ。高麗ナマズって呼んでいいのかな…。
次のキャストにもアタリが!
「よっしゃ!!今度は!」と思ったが、これもまたバス…。
嘘やろ?と、違うポイントへ投げる。
「よっしゃ!!!今度こそ!」バス…。
ルアーがいかんのだ!交換しよう!
ソフトルアーをドリフトさせているとアタリが!!
「こりゃ来たろ!」…今度はナマズ。
何くそ!
「ここならどうだ!よっしゃ!」…BASS!
バス!バス!!バス!!!
「どんなけおんねん!!」
完全にバス地獄…。
見ろよこの顔を…。完全にめんどくさくなっている…。写真のクオリティーもひどすぎる。
兄「マサ、諦めんな!!あと20匹釣れば、ソガリが混ざるはずや!バスを釣りきれ!」
「まじかよ…。頑張るか…。」
投げる、投げる、投げる…。
バス、バス、バス、バス…。
バスに続いてハスまで登場。
結局、ケツギョは兄が釣った1匹のみ。
バスは、この時点で30匹程度(2時間ほどでこの釣果)。
このポイントは見切ることにした。上流へ行こう。釣りをしながら、川を遡っていく。釣れるのはバスと高麗ハスと高麗ニゴイ…。
クセノキプリスも釣れた
一旦、休憩。昼飯タイム。先ほど釣れたコウライケツギョを食べてみた。
まずは、塩焼き。
その次は唐揚げ!
コウライケツギョは非常に美味しい魚だ。韓国でも高級食材として、レストランで提供されているほどである。
…食べながら、兄と話し合う。
兄「どうするよ?この川完全にバスに汚染されてるで。移動する?」
「いや…。でも、ソガリがいるってわかったし、まだ時間かける価値はあると思う。」
兄「OK。こんなけバスをいじめたし、そろそろ、ソガリが出てくる頃やろ。」
よし!もう一回藪漕ぎや!!足が重い…。ツタが足に絡みつく、コケる…。野バラが体に絡まる、痛い…。レインウェア破れる…。なんだよもう…。
先ほどコウライケツギョが釣れた場所に戻ってきた。釣り開始。顔を見せるのはバス、バス、ハス、ハス…。
高麗カマツカ?ズナガニゴイ?こいつは嬉しかった。
この時点で
バス・・・60匹程度
ハス・・・30匹程度
おかしい。
それなら、バスを狙ってやろう。そしたらきっとコウライケツギョが釣れてくれるだろう。
「瀬だ!」バス!
「淵は!」バス!
「流心なら!」ハス!
バス、バス、ハス、バス、バス…。
ほんの15分くらいの釣果です。
…それはそうだよね。だって、バス狙ってんだもん。
後に知ったが、韓国でも日本と同様にオオクチバスの繁殖が問題となっているらしい。そのため、コウライケツギョの生息域も減ってしまっているとか。
アメリカでは大切に扱われているオオクチバスも異国の地では、侵略魚として邪魔者扱い。なんとも、複雑だ。
バスとハスと大いに戯れた後、車に戻り、次の日の作戦を練る。この川は流れが緩やかで、バスが繁殖するにはもってこいの場所だ。
なら、バスが好まない上流域に行ったらどうだろうか?しかし、そんな場所にコウライケツギョはいるのだろうか。
いっそ川そのものを変えるべきではないだろうか。悩みに悩んだ末、移動を決断。
2日目の釣果
高麗桂魚・・・1匹
バス・・・80匹程度
ハス・・・50匹程度
ニゴイ・・・2匹
カマツカ・・・4匹
クセノキプリス・・・1匹
フナ・・・1匹
ナマズ・・・2匹
3日目 背後からのプレッシャー
辿り着いた川は、いかにもコウライケツギョがいそうな環境!これを望んでた!このどっからともなく、魚がドン!っと飛び出してくるんだろうってロケーション!テンションが上がる二人。
まずは、橋の上からバスがいないか確認。
…いない!!これはきたぞ!!釣れる!!
と思った。が、釣り人がいっぱいいる。コウライケツギョは韓国でも人気のターゲットらしい。このポイントはかなりプレッシャーが高いと感じた。そういえば、何やら背後からも強烈なプレッシャーを感じる気がするのだが…。
この余裕。自撮りなんかしてやがる。ちゃっかりピースまでしよって。
このポイントには魚が少ない。アタリが無い。いや、違う。バスとハスがいないだけだ!本来のコウライケツギョ釣りとはこんな感じなのだろう。
想像通りだ。いいリズムだなと思っていたら、何か違和感が…。
アワせる。
「おっしゃ!」
ん!?小さい。高麗オヤニラミか?
「なんだ!?」
兄「ソガリや!!」
えっ!と思うが早いか、体が勝手に魚を岸へずり上げていた。
初コウライケツギョきた!!
なんて、かっこいい魚。この豹柄。こんなにかっこいいのかよ。もう、涙が出てくる。美しい。
兄「おめでとう!!やったな!これで、高麗オヤニラミとスカイゲーザー探しにいけるな!」
「お、おう!」
やっぱり、待っていたのか。背後に感じていたあのプレッシャーは、兄が他の魚を釣りたいがために放っていたのか。
喜びに浸っていたかったが、時間も無いので次のターゲットを探すことに。
癒しのひととき
目星を付けていた高麗オヤニラミのポイントへ移動。上から川を見てると、「うわ、バス…。しかも、ブルーギルまで…。」
ここも侵略されているのか。だが、仕方ない。釣りを始める。ルアーはスピナー。高麗オヤニラミ釣りでは定番のルアーである。浮石の周りをゆっくり巻いてくると、オヤニラミっぽい魚が3匹もルアーを追ってきた!
日本では、考えられない!マジかよ高麗オヤニラミ!!いいね!そういう、積極的な魚だ好きだよ!!興奮しつつ、もう一度同じコースを通す。
「グン!」と竿先が入った。フッキング。
釣れた。
こんな簡単に!?
しかもかなりアグレッシブ!
日本のオヤニラミとはいろいろな面で異なる魚だと感じた。その後も、面白いように釣れてくる。楽しい。釣れるやつ全部、色や形が違う。
高麗オヤニラミは半日で釣れてしまった。これでかなりの余裕ができたので、小物釣りで遊ぶことに。
タナゴの仲間
オイカワ
これがまた楽しすぎる!!
高麗ギギもゲット!
3日目の釣果
高麗桂魚・・・1
オヤニラミ・・・10数匹
タナゴ・・・10数匹
ドジョウ・・・1
バス・・・5
ハス・・・3
オイカワ・・・数匹
高麗ドンコ・・・10数匹
高麗ギギ・・・2匹
エビ・・・数匹
兄「いい調子やな、あとスカイゲーザー採れれば完璧やね。あれは、1日で採れるやろうな。そうなってくるとあと1日余裕が出てくるけど、どうするよ?」
「たしかーに!!もう一つの川を散策しに行くか?一発、デカいソガリを釣りに!」
兄「いいね。それいいね!!」
4日目 辿り着いたパラダイス
早朝に新しい川へ到着。素晴らしい景色だ。韓国にも素晴らしい自然が残っているのだなと感動していた。完全に岩場で形成された川。なにか、巨大なナマズでもいそうな雰囲気が漂う川であった。
そわそわしながら釣り具を用意。二人ともすっかり余裕に満ち溢れ、勝ち誇ったかのように川にエントリー。釣れる気しかしなかった。
結果を先に書くと。爆釣です。とりあえず、20匹は釣りました。平均サイズは、35cmから40cmくらい。今までの苦労が嘘のように釣れる。バスが釣れない。ハスが釣れない。アタリはすべてコウライケツギョ。見た目通り、思った通りの自然が残る川。
コウライケツギョの釣り方
ここで、余裕ができたのでこの魚の釣り方(コツ)を紹介したい。
コウライケツギョは、基本的に岩場を好む魚であり、釣り方は日本のアコウ釣りに似ている。ゆえにジグヘッドで狙うのが定番な釣り方である。もちろん、ジグヘッドでなくとも、ミノーやクランクなんかでも釣ることは可能である。
大きな岩の影や、瀬に魚が着いている場合が多い。水深は川によって異なるが、3日目に釣りをした川はだいたい水深2メートルちょっと。コウライケツギョは水底を好み、ボトムを丁寧に探っているとルアーに食いついてくる。
釣り方は、上流にルアーを投げて、流れにルアーを漂わせながら底に落とす。ルアーが底に着いたら、竿先でアクションをつけながら、ルアーを持ち上げる。そしてまた沈める。これの繰り返しでOK。
最後のターゲット、スカイゲイザーを求めて
さて、午前中に釣れるだけ釣って満足した僕らは、午後からは別のポイントへ移ることにした。次のターゲット「スカイゲイザー」を釣るために。
昼過ぎにポイントへ到着した。とりあえずルアーを投げてみる。
「ゴン!」一投目でまさかのアタリ!まさか…。
やっぱり、バスである。また、バス地獄の始まりである。
と思ったら、ここはバスとハスのダブル地獄…!
ミノー投げる…、ハス。
トップ投げる…、ハス。
ジグヘッド投げる…、バス。
クランク投げる…バス。
いくらでも釣れる。いつまでも釣れる。
兄と顔を見合わせて、「また始まったな…。」と目で語り合う。
こんなルアーでもハスが釣れちゃいます。
夜になったら、ハスは釣れなくなるはずだ。そしたらスカイゲイザーが出てくるだろう。と前向きに考えて、とりあえず釣り続けた。半日で100匹は釣ったんじゃないか。恐ろしい。どんなけ魚おんねん。
だが、次第に焦りが出てきた…。
まさかのゲームオーバー⁉︎
これって、1日目のコウライケツギョみたいに1匹しか釣れないパターン!?と思い、またミーティング開始。
兄「この川には、絶対にガンチュチュ(スカイゲイザー)はおんねん。俺の調べた情報に間違いはない。」
「だよね…。でも、もう一回調べてみようよ。」
…ヤフーニュースに「韓国で魚が大量死、原因不明」というニュースが。
まさか…?その魚がまさかのスカイゲーザー…。
終わった。ゲームオーバーだよ…。
兄「ふざけんなよ…。なんでこのタイミングで…。俺はこの魚を釣りに香港まで行って釣れなかったんだぞ。諦めてたまるかよ。」
「何かヤバい物でも川に流れたんでしょう?なら、この川の大量死した場所より上流に行けば、いいんじゃね?そしたら、それの影響受けてないところがあるかもしれんし。」
兄「それや!上流や!行くぞ!!こうなったら、信じられるのは、魚が溜まる堰の下だけや!googleearthで探すんだ!」
と、車の中で検索開始。そして、見つけた。いい感じの堰。ここしか無い!
夜中に到着。早速、釣り開始。
またも、一投目。
「ゴン!!」
おっしゃあ!!と兄が叫ぶ。
「どうせバスっしょ」と眠そうに返事する。
兄「ちゃう!!銀色!!」
「へ!?」っと反応したそばで、兄が美しい魚体を暗い水面から引き抜いた。
念願のスカイゲーザー!!兄は吠えていた。真夜中に。マジで近所迷惑。ただ、その気持ちはめちゃくちゃわかる。
かっこいい!!
最初はターポンみたいな魚だと思っていたが、よく見ると、ワタカのような顔をしている。かわいい…。
俺も釣りたい…!
ミノーを流れの中に入れる。
「ゴン!!」え?マジ?
いきなりすぎて、ちょっと焦ってしまった。ジャンプでバレる。ウソだろ。ここに来てミス!?
いや、あれはバスだった!そういうことにして、もう一度投げる。また、アタリが!!
慎重に寄せて抜き上げる。
やっった!スカイゲイザー!!きた!!!
目標達成!嬉しすぎる!!
これって、もしかするとホットスポット見つけちゃったかな!
その後も、面白いように釣れ続ける。ハードルアーならとりあえず、何でも釣れる。楽しすぎる。まあ、同じくらいバスも釣れるのだが。
兄はスカイゲイザーへの思い入れが僕よりも一段と深い。そのため、目の前のスカイゲイザーパラダイスに夢中になってしまっているようだ。10匹以上は確実に釣っているにも関わらず、その後も一晩中投げ続けていた。
じゃあ僕は先に車に戻って寝よう…と思った矢先。
「お前が帰ったら、誰が写真撮るの?」
と真面目な顔で言われ強制的に釣り場へ居残りさせられた。
兄がものすごい勢いでスカイゲーザーを釣っている傍で「なんか、おもろいもん釣れんかな?」と一応竿を振ってみる。するとまさかのコウライケツギョ登場。なんだよ!どこでも釣れんじゃん!
夜のコウライケツギョは白っぽい。
一晩釣りをし続けて疲れ切った二人は、明るくなってから数時間だけ仮眠をとった。帰国まであとわずか。
残りの時間をスカイゲーザーが釣れた川で過ごすことにした。まったりとchillに時間が流れる。
適当にスピナーを投げて、巻く。なんとchillな時間…。理想的。
あ、釣れた。
高麗オヤニラミ…。
ええー。この川で今回のターゲット全部釣れるんじゃん!!
こうなったら、本気で高麗オヤニラミを釣りまくってやる。次から次に釣り上げては、大きな個体だけを厳選してキープする。バス釣りのトーナメントに出ているよう。
1時間で揃えた大型個体たち。
楽しすぎる。もう、さすがに満足だ。
今回の韓国での釣りは大成功と言えるだろう。
最終的な釣果は、
コウライケツギョ・・:28匹程度
コウライオヤニラミ・・・30匹程度
タナゴ・・・10数匹
ドジョウ・・・1匹
バス・・・150匹程度
ハス・・・130匹程度
高麗ドンコ・・・10数匹
高麗ギギ・・・3匹
オイカワ・・・数匹
ニゴイ・・・2匹
カマツカ・・・4匹
クセノキプリス・・・1匹
フナ・・・1匹
ナマズ・・・2匹
少し早めに街へ帰り、韓国の焼肉をいただく。
うまい。さすが本場!肉がうまい!キムチもうまい!
韓国料理はおいしい!!今度行くときは、BBQセットを持っていこうと考えている。
近くて楽しい、韓国釣行
いろいろと堪能させてもらった韓国。日本から一番近い外国。日本の魚とよく似た、けれどよく見るとどこか雰囲気の違う魚たちが暮らす国。似た種類の魚がいる国。具体的に言どこが違うのかを説明することは難しいのだけれど。ただ、どの魚も綺麗で、かわいい。
そして魚がスレていないが故に、純粋にルアーを追ってくる。
「釣りってこうじゃなきゃいけないよね!!」って感じを思い出させてくれる場所でした。釣りは楽しくないとね。やっぱり!
今回は、兎にも角にも友人・ソフィアに感謝である。韓国語でコウライケツギョについて調べてもらったり、韓国語を翻訳してもらったりと本当に助かった。
僕はまた、韓国に行きたいと思う。そして、これを最後まで読んでくれた人がいたら、ぜひ韓国へ足を運んでほしいと願う。
今回、僕らが韓国で釣りをしたポイントは全てインターネット上の情報から探り当てた場所だった。現地の人から直接聞き込んだ情報は一切無い。しかし、ここまでの釣果を上げることができた。
ということは、ネットを使える環境にある人ならば、誰でも同じ場所にたどり着くことができるということだ。
自分の目を信じて、ここぞと思うポイントで釣り竿を振っていれば、自ずと答えは返ってくる。だから、ぜひあなたも韓国釣行に挑んでみてほしい。
費用も日本国内の遠征とほとんど変わらないことだし。
こんなにかっこいい魚がいるのだ。観に行くだけでも、十分に価値があると思う。
僕は、次の目標である「ケツギョ」を釣るために情報を集めていこうと思う。近いうちに絶対に釣ってやるんだ。いや、釣れなくてもいいか。どんな方法であれ、捕まえることさえできれば。