刺身で食べたい!沖縄熱中グルクン釣り
刺身で食べたい!沖縄熱中グルクン釣り
沖縄の県魚、グルクン
こんにちは!
イラストレーターの時川です。
僕が現在住んでいるのは沖縄本島ですが、地元を代表する野菜がゴーヤーだとしたら、魚の場合はやっぱり「グルクン(タカサゴ)Pterocaesio digramma」かなぁ。
沖縄では県の魚として指定されています。
地元の人にとっては本土近海で獲れるアジみたいな存在の大衆魚なんですよ。
怪魚でも希少種でもないけれど、生きているグルクンを見たことがある人はあまりいないはず!
今回はきれいなその姿をお見せしたいと思います。
手前の2匹がグルクン(カブクワーグルクン)※後ろはキツネウオ(Pentapodus caninus) 。
こちらはグルクマ(Rastrelliger kanagurta)(都屋漁港の市場にて)。名前が似ているがこちらはサバ科。画像のものは小さいが、40cmほどに成長します。
刺身や唐揚げがおいしい。バター焼きにするのも地元では人気。
こちらはヒラーグルクンと呼ばれるササムロ。以前五目狙いのサビキ釣りでかかったものです。
ところで、みなさんの中には沖縄に旅行をしたことがなくても、沖縄料理屋さんで「グルクンの唐揚げ」を食べたことがある人はいらっしゃるんじゃないですか?
クマササハナムロの学名はPterocaesio tile、ウメイロモドキはCaesio teres Seale。
香ばしくて、骨までパリパリとおいしかったと思います。
でもこのグルクン、鮮度が落ちやすいという性質から、沖縄から離れた土地では定番の唐揚げがあっても、刺身はなかなか食べられないんですよね。
おっと、地元に住んでいながらも、僕自身4年ほど前に那覇の居酒屋で食ベて以来のご無沙汰です。
う~~ん、久しぶりに食べたいぞっ。
それならば釣ってくるのがいちばん!ということで、今年の8月13日、釣り仲間の案内で沖縄本島中部は読谷村の漁港から、遊漁船に乗ってポイントを目指しました♪
釣り当日は、よく晴れて風もなく、穏やかなコンディション…なんて書くと爽やかで気持ち良さそうなのですが、そこは夏ど真ん中の沖縄。
グルクンには出会えましたが、僕はあるコワイものに襲われて…。
初心者歓迎。船長がしっかりと教えてくれます。
うちなーんちゅ(沖縄人)の釣り仲間Gさんのオススメで乗船したのは「都屋漁港」から出船の「あ~き~丸」。
お問い合わせは090-7586-3897(宮城)まで。
この船のうれしいところはグルクン釣りのポイントまでがとても近いこと。
午前7時過ぎに港を出て10分ほどで到着です♪
釣り仲間Gさんの娘さん。おやつを食べ切らないうちにポイントに着いちゃったさー。
沖縄の釣りにはマグロや20kgを越えるハタなどの大物釣りからキスのような小物釣りまでいろいろありますが、グルクン釣りはその中でも比較的やさしい釣り。
初心者や子供も気軽に挑戦できますよ。
釣り方はサビキ釣りと呼ばれるもので、オキアミのコマセ(寄せ餌)でグルクンを寄せながら、数本の枝バリにかけて釣り上げていきます。
市販のサビキ釣り仕掛け。竿とリールはあ~き~丸でレンタル(1000円~)もあります。
日頃から近所の海岸でルアー(疑似餌)フィッシングはよくやっている僕ですが、実はグルクン釣りは初心者。宮城船長に教えてもらいながら、レンタルした道具で狙ってみました。
あ~き~丸の宮城船長。
船内の釣れ具合を見ながら、各釣り人に細かなアドバイスをしてくれます。
グルクンが集まってくると次々にアタリが出ますよ。
待望のグルクンがヒット!
仕掛けにつけたコマセカゴにオキアミを入れたら、静かに海中に沈めていきます。水深は30mくらい。
オモリが海底にストンと着いたところで竿をしゃくるとコマセが付近にまきちらされ、グルクンを寄せます。
おっ、僕の後ろの座では、ベテランさんがすでにグルクンを釣り上げていますよ。
ポイント到着後、すぐにベテランさんの竿にグルクンが!
こちらはグルクンではありませんが、オジサン Parupeneus multifasciatusという魚。本命以外にも色々な魚が釣れて楽しい。
スズメダイの一種のようです。意外と美味しいんですよ。
あたたたた、一人での取材は大変。
周りでバタバタと釣れているもんだから撮影ばかりでなかなか釣りができません(^_^;)。
そろそろ自分でもグルクン釣らなきゃぁ。。。
ひとまずカメラを置き、仕掛けを底に沈め、しゃくって、アタリを待って…。するとぉ~~?
ツン、ツツン…、グググギューーーーーン!!! と竿先が引き込まれます。
「おおっ、きたぁっ!」
それほど大型ではありませんでしたが本命。
グルクン中のグルクン、タカサゴですっ。
海の中を泳いでいる時は青っぽい色をしていますが、釣り上げられると興奮して赤く変化します。
面白いですねぇ。
体側のストライプもきれいなんだわ。
釣れました。これがグルクン!
生きているグルクン。きれいでしょ!
このあともポツポツと反応があります。
後ろ座のベテランさんが一度に2匹~3匹とかけて釣っているので真似しようとしましたが、僕は2匹目がかかるのを待っているうちに1匹目がハリから外れて逃がしちゃったりしてましたねぇ。アハハ。でも、なんとか5匹釣れましたよ。
ベテランさん、さすがです!
●画像15
今回の案内人、釣り仲間Gさんも2匹がけ~♪
酷暑の中、熱中症でダウン…
それにしても…、暑い、というか熱い。沖縄の今年の夏の暑さはハンパでなかったんです。
オキナワンブルーな空や海を撮影をするにはありがたい晴天でしたが、いやいや、あの日の無風さ加減は正直なところキツかった。
船には日よけが張ってはありましたが、午前中の太陽角度では僕の釣り座側ったら日射し直撃、大爆撃状態。
反対側は日陰もでき、だいぶ快適に釣りができたようですが…あわわ、なんだか僕は苦しくなってきちゃいましたよ。
頭は痛いし、ヘンな冷や汗は出てくるし…。
そしてついにダウン。
ちょっと魚臭いけど、クーラーボックスの氷水をぞうきんに浸してあてがったりして体を冷やしました。
反対側はみなさん元気に釣ってましたよー。
がんがんとドリンク飲んでたんですが。
なんかつらいぞー。
ついにダウン。
ハッハッハ…と、呼吸まで荒くなってきました。
ここで妻や小学生の娘の姿が頭に浮かんできましたよ。
「うーっ、ヤバいかも。船酔いは死なないけれど、熱中症はヘタしたら死んじゃうぞ。意地張らず船長に伝えよっ」
このとき、日射しが当たる側にいたGさんもかなりきつくなっていたようです。Gさんが「後半もあることだし、ひとまず港に戻り、かき氷でも食べましょう」と船長に提言してくれ、ここでブレイクタイムをとることに。ああ、ポイントが近場で本当によかったです!
これまでの人生でいちばん美味しく感じたかき氷!?
かき氷と休憩でだいぶ楽になったものの、また迷惑をかけたら大変だなぁと思い、僕はここでリタイヤさせていただきました。
後半戦の前に、記念写真を撮って見送ります。
後で聞いた話では、午後からは適度な風も出て、気持ちのよい釣りを楽しめたということでしたよ。
この日の釣りをご一緒させていただいたみなさん達。ありがとうございました~。
さ~~~て!
そんなわけで僕のグルクンはダウンする前に釣った5匹しかありませんが、丁寧にお刺身にしてみましょうか。
頭と内臓をとり
3枚に下ろして…
小さな盛りつけになってしまいましたが、こちらは大葉とワサビつきの大人用。
わさびや薬味が苦手な娘バージョン。
どれどれパクっ
おいしいよっ!!
きれいな白身。
口の中でじわじわと旨味がふくらんでいきます。大葉と合わせていただくのが味わいも深まり僕は好き。
あ~~っ、もっと釣れたならドカっとグルクン丼が作れたのになぁ!
ちょっと身が柔らかめなので昆布締めとかもいいかもね。
グルクン丼イメージ
炙りのグルクンもオススメです。
ちなみに皮を炙りにしてから刺身にすると、これがまた絶品中の絶品。
皮のプリプリ感とその周りの脂の旨味がしっかりと味わえますよ。これはあとで地元の魚市場で買ったグルクンで作ったんですが、ビールや泡盛がグイグイ進んじゃって進んじゃって!!